革靴ブランド事典Leather Shoes Brand
クラークス/Clarks(イギリス)
カジュアルシューズの原点と言われるクラークス
クラークス(Clarks)はイギリスのカジュアルシューズメーカーです。生産スタイルやデザインなど、あらゆる側面でカジュアルシューズの先駆者的ブランドと言われています。
クラークスの代表モデル「デザートブーツ」や「ワラビー」は、カジュアルシューズの代名詞として知名度が高く、日本でも人気があります。
クラークスの原点はスリッパ
今やクラークスは世界に名の知れ渡ったカジュアルシューズブランドですが、その原点は最初の商品にあると言われています。
創業者であるサイラスとジェームスのクラークス兄弟が最初に作ったのは、スリッパでした。羊の毛がそのまま付いた革を使用したもので、当時、そのデザインは非常に斬新なものだったようです。
見た目だけでなく、履き心地が抜群に良かったということから大評判になり、本格的な生産を開始。それがクラークスを立ち上げるきっかけだったようです。
クラークス兄弟が生産したスリッパは、クラークスの原点のみならず、カジュアルシューズそのものの始まりとも言われています。
クラークスの創業からはすでに180年以上の時が経っていますが、兄弟がスリッパを作った当時から、シューズブランドとしての「時代を先取る」スタイルは確立されていたのかもしれません。
クラークスは、あらゆる面でパイオニア
スリッパの生産は一例に過ぎませんが、クラークスは常に斬新なデザインを生み出そうとしてきました。しかしクラークスがカジュアルシューズの「パイオニア」と呼ばれる理由は、デザインに限った話ではありません。
クラークスは、世界中に数多く存在する靴ブランドに先行して、アッパー(靴の甲の革)とソールを縫い上げるミシンの開発に成功しました。
また、それまで手作業で行っていた製靴工程に機械を導入するなど、現在では「当たり前」のことを、時代に先駆けて行っていたのです。
このように、常に時代を先取っていたクラークスですが、昔から変わらないものも持っています。それは、快適な履き心地の靴作りです。
もちろん、「履き心地の良さ」を何よりも優先した靴ブランドは数多く存在します。そういったブランドのうち、現在も第一線で活躍しているメーカーは、時代の流れを敏感に感じ取り、履きやすくもデザイン性に富んだモデルを出しています。
ところがクラークスは少し違います。
19世紀、当時の女性の靴は、細く美しさを強調したものが一般的でした。しかし、それは、非常に窮屈で、とても快適とは言いがたいものです。
そのような風潮のなかで、クラークスは靴のデザインではなく、快適に履ける靴作りを追求し続けました。
その結果、「履き心地の良さ」を優先した靴は多くの人々に受け入れられ、クラークスの人気はますます上がっていきました。
クラークスは時代を先へ先へと進むシューズメーカーではありますが、ただがむしゃらなわけではなく、確固たる信念も持って靴作りを行っているブランドなのです。
クラークスの歴史
1825年、サイラス&ジェームス・クラークの兄弟が、イングランド南西部のストリートで、シューズメーカー「クラークス」を創業。
1856年、アッパーとソールを縫合するミシンを開発。
1937年、イギリスに第1号店をオープン。
1983年、クラークスジャパンが設立される。
1989年、同ブランドの「ネイチャー」がイギリスシューズコンテストで、足の健康に最も優れた靴として金賞を受賞。
1995年、同ブランドの人気モデル「デザートブーツ」の累計販売数が1000万足を超える。
画像引用元:http://www.clarks.co.jp