靴用語集Shoes Glossary
安全靴
安全靴(Safety boots)とは、足の保護を目的とした靴です。
安全靴は、主に工事現場や工場内など、足への危険を伴う作業現場で使用される、着用者の足の保護を目的とした靴です。甲被は牛革か総ゴム製に限られています。 労働安全衛生規則(第558条)によって、事業者・労働者ともに作業環境に応じた安全靴の着用が義務付けられています。
日本工業規格(JIS規格)では、安全靴は2種類が規定されています。 1つは「安全靴(JIS T 8101)」の足部保護具として、「つま先を先芯によって防護し、滑り止めを備える靴」と定義されています。 もう1つは、「静電気帯電防止靴(JIS T 8103)」として、静電気が原因となる災害を防ぐため、製品の汚れなど生産への悪影響を防ぐための、工場で作業する者が使用する安全靴についての規格です。 また、安全靴は作業区分により種類も定められており、重作業用「H種」、普通作業用「S種」、軽作業用「L種」などのJIS規格があります。これは安全靴の先芯の耐衝撃性能、耐圧迫性能、表底のはく離抵抗の数値の違いによって定められています。
安全靴は用途によって靴の形状も異なります。 短靴の安全靴はくるぶし丈の着用が容易なタイプで、一般作業全般で使用されています。 中編上靴の安全靴はくるぶしの上ほどの長さの靴で、短靴の安全靴に比べて土砂や水、異物、溶接火花が入りにくくなっていて、運搬作業や台車運搬作業、溶接作業で使用されています。 長編上靴の安全靴は丈がスネほどの長い靴で、中編上靴の安全靴と同じく土砂や水、異物、溶接火花が入りにくい作りになっています。蒸気や高温部への直接接触した際の保護や、ズボンの裾を収納して引っかかりを防止する機能も兼ねており、保線作業や建築物解体作業、土木作業、高所作業で使用されています。 半長靴の安全靴は丈がスネほどの紐なしの筒状タイプで、靴の着脱が容易にできるため、脱ぎ履きが頻繁な現場に適しています。長編上靴の安全靴と同じく、蒸気や高温部への直接接触から足を保護します。溶接作業や土木作業、建設作業、建築物解体作業で使用されています。