バッグブランド事典Bag Brand
エトロ/Etoro(イタリア)
トータルブランド、エトロ
「エトロ(Etoro)」は、1968年にイタリアのミラノでテキスタイルメーカーとして創立しました。品質・デザインに優れた生地で好評を博し、今ではウェアやバッグに止まらず広くコレクションを展開するトータルブランドとなっています。
エトロといえば、ペイズリー
カシミアやシルク、リネンなどの布素材に定評があり、ブランドアイコンとなっているペイズリーをモチーフとしたアイテムが、ファッションを愛する大人に人気のブランドです。
ショールやストールといった軽やかなアイテムが人気のエトロですが、ブランドの代表といえば「アルニカ」。ペイズリーを、赤、黄、ターコイズ、オリーブグリーン、アイボリーの糸を使ったジャカード織で表現し、それを特殊なPVCコーティングしたテキスタイルです。
上質で扱いやすい素材のため、1982年の登場以来、バッグやアクセサリーなど、エトロのさまざまなアイテムに使用されています。
アルニカをはじめ、エトロのアイテムにはやはりペイズリーが欠かせません。
滴り落ちるインクをイメージして描かれた「ペイズリー・インク(Paisley Ink)」や、白で表現したペイズリーに大胆なプリントを施した「ペイズリー・ビアンコ(Paisley Bianco)」など、ペイズリーに新たな解釈を加えたシリーズを続々と発表しています。
ペイズリーを見れば、誰もがエトロを思い出します。一目でそれとわかるラグジュアリーなアイテムは、どんなコーディネートをも格上げしてくれる優秀なパートナーです。
ペイズリー柄から始まるエトロの歴史
ブランド創始者のジェロラモ・エトロは、卓越した職人の技術や緻密なディティール、世界に1つしかないデザインに惹かれ、アンティークのスカーフやショールを収集していたコレクターでした。
なかでもエトロの心を掴んだのは、ペイズリーのモチーフが美しいインドのカシミールショール。エトロは、19世紀後半には完全に消えてしまっていたこのペイズリーを、研究を重ねて独自のセンスと技術で現代によみがえらせました。
1981年、ペイズリーをモチーフとした生地や家具、カーテンなど発表し、製品にブランド名でもある「エトロ」の名を付けます。
1984年にはバッグを完成させ、同時にネクタイやショール、小物などを加えたアクセサリー分野に進出。翌年にはホームコレクションを発表し、89年には香水を発表します。ミラノ・コレクションでは1996年にはウィメンズ、1997年にはメンズのウェアを発表し、名実ともにトータルブランドに成長しました。
現在は、エトロの4人の子どもたちが中心となり、創業者のスピリットを受け継いだアイテムを発表し続けています。