投稿日:2015.12.12 最終更新日:2025.09.12
【内訳まで徹底紹介】1足100万円超えって本当?革靴オーダーの値段・価格相場を工房職人が解説!

- 自分だけの特別な一足が欲しい
- 足に本当にフィットする革靴に出会いたい
そんな想いからオーダーメイドの革靴に憧れを抱くものの、「でもオーダーメイドでつくると、いくらくらいするんだろう…?」という疑問が、最初の一歩をためらわせる大きな壁になっているのではないでしょうか。
高いというイメージばかりが先行して、実際の値段や価値が分かりにくい。高価な買い物で失敗したくない。そんな気持ちは誰もがあるかと思います。
この記事では、革靴の専門家として、オーダーメイド革靴の気になる値段の目安から、価格が決まる背景、そして値段以上の価値まで、余すところなく解説します!
この記事を読めば、こんな悩みが解決します!
- オーダーメイド革靴の値段の目安(各種類別)
- 価格が決まる仕組みと、その背景にある「本当の価値」
- 値段以上に大切な後悔しないための「賢い選び方」
オーダーメイド革靴の「値段の目安」は?
まずはオーダーメイド革靴の「値段の目安」についてお話します。
オーダーメイド革靴の世界は奥深く、その注文方法(セミオーダー、フルオーダーなど)によって値段が大きく変わってきます。まずは「だいたいいくらくらい?」という疑問を解消するために、代表的な3つのオーダー方法別に、一般的な値段の目安を見ていきましょう!
①:セミオーダー革靴(パターンオーダー)の値段相場
「セミオーダー」や「パターンオーダー」は、すでにある程度の形が出来上がっている既成の木型の中から、ご自身の足に最も近いものを選び、革の色や素材、デザインなどを組み合わせていく方法です。
値段の目安:10万円~20万円
木型をゼロから作らない分、値段は他のオーダー方法よりも手頃な価格になり、10万円~20万円程度をひとつの目安として考えていただくといいでしょう。
多くの工房やブランドで10万円前後から注文することができます。後ほど紹介するすべて完全オリジナルでつくる「フルオーダーシューズ」の1/3程度の費用感で、自分だけの一足が手に入るため、「初めてオーダーメイドに挑戦してみたい」という方には最も手軽な選択肢として当店でもおすすめしています!
ただし、選ぶ革の種類(例えば、一般的な牛革や希少なコードバン)や、ブランド、製法によっては20万円を超える場合もあります。10万円〜20万円を目安にどこまでこだわるかでやや値段が変わるとお考えいただければと思います。
②:9部仕立て革靴の値段相場
「9分仕立て」とは、ビスポークとセミオーダーのちょうど中間に位置するようなオーダー方法です。靴作りの工程の大部分を手作業で行い、最後の靴底の縫い付け(出し縫い)など、ごく一部の工程のみ機械を使います。
「10分の9まで手仕事で仕立てる」ことからこの名が付き、履き心地はビスポークに限りなく近づけながら、機械で生産効率を高めることで価格を抑えているのが特徴です。
仕上げの割合によっては「7分仕立て・5分仕立て」なども存在します
値段の目安:20万円~30万円
値段の目安は20万円~30万円前後。フルオーダーの本格的な履き心地と、セミオーダーの手軽さの「良いとこ取り」をしたい、こだわり派の方から近年人気を集めています!
9分仕立てについては下記記事で詳しく解説していますので、気になる方はこちらもご覧ください!
<<公開後9分仕立て記事のURLを記載>>
③:ビスポーク(フルオーダー)革靴の値段相場
「ビスポークシューズ」とは、お客様一人ひとりの足に合わせて木型(ラスト)を一から削り出し、採寸から仕上げまでの全工程を職人が手作業で行うオーダーメイドの最高峰です。
値段の目安:30万円以上(メーカーによっては100万円以上も)
その値段の目安は、国内の工房で30万円~50万円程度。これには、7万円~15万円ほどかかる木型製作費も含まれています。有名ブランドや著名な職人に依頼すれば50万円以上、海外の一流店では100万円を超えることも珍しくありません。
まさに「究極の一足」を手に入れるための費用感ですが、一度作った木型は保管されるため、2足目以降は木型代がかからず、数万円ほど安くなるケースが多いのもこのビスポークシューズの特徴です。
納期は半年から1年以上と時間はかかりますが、それだけの手間と時間をかけるからこそ、完璧なフィット感が得られます。
<<公開後ビスポーク記事のURLを記載>>
【一覧で見る】オーダー方法による値段・特徴の違い
ここまでの内容を一覧表にまとめました。ぜひご自身の予算感と照らし合わせながらご覧ください。
オーダー方法 | 一般的な値段の目安 | 特徴 | こんな方におすすめ |
ビスポーク | 約30万円以上 | 木型から完全手作り。究極のフィット感。 | とことん自分だけの靴を追求したい方 |
9分仕立て | 約20万~30万円 | ほぼ手作業。ビスポークに近い履き心地。 | 品質と価格のバランスを重視する方 |
セミオーダー | 約10万~20万円 | 既存の木型とデザインを組み合わせる。 | 初めてオーダーを体験してみたい方 |
気軽に試せるセミオーダーから、品質と価格のバランスに優れた9分仕立て、究極のフィット感を追求するビスポークまで、選択肢は様々です。
ご自身の目的と予算を照らし合わせることが、最良の一足と出会うための第一歩になります!
値段の理由を深掘り|オーダーメイド革靴の内訳は?
オーダー方法によって値段が大きく違うことはお分かりいただけたかと思います。一見すると複雑に思えるその価格の内訳は実はとてもシンプルです。主に以下の3つの要素で構成されています。
- 素材費:靴の品質と表情を決める「革」そのものの費用
- 木型製作・調整費:履き心地の核となる「設計」にかかる費用
- 技術料・工賃:職人の「手間と時間」に対する費用
それぞれの要素がどのように価格に結びついているのか簡単にご説明します。
1. 素材費:使用する革の種類・品質
まず靴の品質と表情を決める「素材費」があります。オーダーメイドでは、一足のために厳選された高品質な革を使うため、大量仕入れが可能な既製品よりやや割高になります。
例えば、なめらかなカーフと起毛したスエードでも価格は変わり、コードバンなどの希少な革を選べば、さらに数万円以上の追加費用がかかります。
【スピカのこだわり】複数の仕入れルートで「お求めやすさ」と「履き心地」を担保
当社では様々なルートから素材の仕入れを行っており、妥協なく選んだ一級品の革で製作しております。はじめての革靴オーダーの方でもお求めやすい価格を実現するのはもちろん、ご購入後の「履き心地の良さ」にまでこだわっています。
「この革で作ってみたかったけど他店舗にはなかった…」などの経験がありましたら、ぜひスピカに一度ご相談いただければ幸いです。
2. 木型(ラスト)製作・調整費
次に、履き心地の核となる「木型製作・調整費」です。これがフルオーダーとセミオーダーの価格を大きく分けるポイントになります。
フルオーダーでは、お客様専用の木型をゼロから作るため、7万~15万円ほどの木型代がかかります。一方、セミオーダーは既存の木型を使うため、この費用がかからず価格を抑えることができます。これは、あなたの足に完璧にフィットさせるための「設計料」とも言える費用です。
3. 技術料・工賃:職人の製作費用
最後は職人の「技術料・工賃」です。機械による大量生産とは異なり、オーダーメイドは一人の職人が一足に何十時間もかけて仕上げます。
革の裁断から縫製、仕上げまで、すべての工程に注がれる膨大な手間と時間が価格に反映されます。オーダーメイド革靴の値段とは、熟練した職人の技による費用とお考えいただければと思います。
オーダーメイド革靴を選ぶメリット
価格の仕組みが分かってくると、次に気になるのは「その値段を出すだけの価値が本当にあるの?」ということではないでしょうか。
ここからは既製靴では得られない、4つの確かなメリットをご紹介します!
メリット1:既製靴にはない「履き心地」
オーダーメイド革靴がもたらす最大の価値、まるで自分の足の一部になったかのような完璧なフィット感です。普段から革靴を履いている方であれば「サイズは合っているはずなのに、なぜか指が当たる」「夕方になると足がむくんで痛くなる」。そんな既製靴の悩みを経験したことはありませんか?
もちろん革靴は履けば履くほど足に馴染んできますが、指あたりや、足のむくみなどは、革の硬さではなく「そもそも靴自体があなたの足に合っていないこと」にあります。
オーダーメイドなら、足長や足幅はもちろん、甲の高さ、かかとの形、左右の微妙な違いまで、あなたの足の個性をすべて受け止めて一足を作り上げます。
足に吸い付くようにフィットした靴は、長時間歩いても疲れにくく、靴擦れや足の痛みといったトラブルからも解放されます!
メリット2:高い耐久性で長く愛用できる
オーダーメイド革靴は、厳選された上質な革を使い、職人が一足ずつ丁寧に仕立てるため、非常に頑丈で長持ちします。
特に、靴底の交換が可能な「グッドイヤーウェルテッド製法」や「ハンドソーンウェルテッド製法」で作られた靴は、アッパー(甲の革)が傷まない限り、ソールを何度も張り替えながら10年、20年と履き続けることが可能です。
履き込むほどに革は柔らかく足に馴染み、手入れをするほどに美しい艶を増していく。傷がつけば修理をし、色があせれば補色をする。そうして時間をかけて育て上げた一足は、まさに「一生モノ」の相棒となります。
次々と新しい靴を買い替えるのではなく、一つのものを大切に長く使い続ける。そんな豊かな価値観も、オーダーメイド革靴は与えてくれます!
メリット3:オリジナルの一足が作れる(デザイン自由度)
靴の形、革の種類や色、ステッチ(縫い糸)の色、靴紐の形まで、細部にわたって自分の好みを反映できるのも、オーダーメイドならではの大きな魅力です。「このデザインは好きだけど、色が好みじゃない」「この形で、もう少し艶のある革だったら…」。そんな既製靴では叶わなかった願いを、すべて実現できます。
職人と相談しながら、まるで服を仕立てるように「世界に一足だけの靴」を創り上げていくプロセスは、靴好きにとって、この上なく心躍る体験です!
他の誰とも被らない、自分のこだわりが詰まった一足を履く。その満足感は、日々のファッションに自信と彩りを与えてくれるでしょう。
【職人が語る】革靴好きがつくるから“想い”をデザインにできる
当社の話にはなりますが、スピカでは「革靴好きの職人」が皆様のオーダーシューズのお受け付けをしています。
プロとしての技術担保はもちろんですが、好きだからこそ汲み取れる想い、好きだからこそ分かる数年後の楽しみまで製品に反映させたい。そんな想いでお客様からの依頼を作品に落とし込みます。
「オーダーが初めてで具体的な想いがあまりない…」という方もぜひご相談いただければと思います。
メリット4:アフターケアとメンテナンス保証(スピカのこだわり)
革靴は「作って終わり」ではありません。
スピカでは、お客様にお作りいただいた革靴を工房にお持ち込みいただくか、郵送でお送りいただければ、靴磨きやソールの調整など、購入後のアフターメンテナンスを承っています。
高価な靴だからこそ、履き心地が合うまでしっかり寄り添う。その安心感を、私たちはアフターサービスを通してご提供しています。
丁寧に手入れをする時間、履くたびに感じる足元の満足感。オーダーメイド革靴は、単なる履物という枠を超え、あなたの人生に寄り添い、自信を与えてくれる特別なものになります!
スピカのオーダーメイド革靴の特徴
ここまでオーダーメイド革靴の一般的なお話をしてきましたが、ここからは、私たち元麻布スピカがご提供するオーダーメイド革靴について、具体的なメニューと値段、そして私たちが大切にしている「価値」をご紹介します!
スピカのオーダーメニューと値段の目安
私たちスピカでは、お客様のご予算や「どこまでこだわりたいか」というご希望に合わせて、3つのオーダープランをご用意しています。
セミオーダー:初めての方にもおすすめ
スピカが用意する複数の木型とデザインの中から、お好みのものを組み合わせて作る形式です。初めての方でも、既製靴とは次元の違うフィット感と選ぶ楽しさを体験いただけます。
- 価格: 65,450円〜
- 納期: 約3ヶ月
プレミアムラストオーダーシューズ:本格志向の方へ
履き心地を大きく左右する工程を手作業で行う「ハンドソーンウェルテッド製法」を採用。既存の木型をお客様の足に合わせて削り、より細かな調整を加えることで、本格的な履き心地を追求します。
- 価格: 151,800円〜
- 納期: 約6ヶ月
ビスポーク(フルオーダーシューズ):究極の一足を求める方へ
お客様のためだけに木型をゼロから製作する、完全なオーダーメイドです。デザイン、履き心地、すべてにおいて究極の一足を、職人が二人三脚で創り上げます。
- 価格: 440,000円~
※木型製(ラスト)作費66,000円を含む - 納期: 約1年
スピカの「履きやすさ」と「品質」へのこだわり
スピカのオーダーメイドは、単に革靴を作るだけではありません。靴修理工房として長年培ってきた経験と知識を元に、お客様にとっての「本当の履きやすさ」とは何かを追求し続けています。
そのこだわりの根幹にあるのが、徹底したフィッティングです。私たちは、サイズは0.5cm刻み、足囲(ウィズ)も8段階に分かれた100足以上のフィッティングシューズをご用意。精密な計測データと、お客様のライフスタイルや悩みを深くお伺いする丁寧なヒアリングを組み合わせることで、数値だけでは分からない、あなただけの「最高のフィット感」を見つけ出します。
もちろん、素材にも妥協はありません。フランス製のしなやかなカーフ、イタリア製の堅牢なレザーソールなど、職人が自らの目で確かめた世界中の一級品だけを使用。
美しいだけでなく、長く愛用できる確かな品質をお約束します。
スピカの充実したアフターサポート
先ほども紹介したように、私たちは「良いものを、修理しながら長く大切に使う」という価値観を何よりも大切にしています。その想いは、私たちのオーダーメイド靴をご購入いただいたお客様へのアフターサポートとして提供しています。
スピカでオーダーシューズを作ってくださったお客様は、
- 靴磨きをいつでも無料でサービス
- 修理代金をいつでも15%OFF
これは、お客様がその一足を「一生モノ」として育てていくための、私たちからのお約束です。
作って終わり、ではありません。ご購入後も、履き心地の微調整から本格的な修理まで、その靴を熟知した私たちが責任を持ってサポートし続けます。お客様にとって、本当に信頼できる「靴のパートナー」でありたい。それが、スピカの願いです。
後悔しないオーダーメイド:値段以外に確認すべきポイント
最後に、これからオーダーメイド革靴を選ぶあなたへ、革のプロとしてお伝えしたい大切な視点があります。値段ももちろん重要ですが、後悔しないためには、以下のポイントも合わせて考えることが、あなたにとって最高の選択へと繋がります。
まず、「なぜオーダー靴が欲しいのか」という目的を明確にしてみましょう。
普段の快適さを求めるのか、特別な日のための一足か、それによって選ぶべきオーダーレベルが見えてきます。
次に、技術力や実績だけでなく、あなたの悩みに親身に耳を傾けてくれる信頼できる工房や職人を選ぶこと。
そして、初期費用だけでなく、修理をしながら長く履けるかという「生涯コスト」の視点も大切にし、アフターサポートの有無も確認しましょう。
革靴の値段を理解した上で、一生モノの履き心地をあたなに
ここまで、オーダーメイド革靴の値段の目安から、その背景にある価値、そして後悔しないための選び方までを解説してきました。
オーダーメイド革靴の値段は、決して安いものではありません。しかし、それは単なる「モノ」への出費ではなく、職人の卓越した技術と膨大な時間、厳選された素材、そして何より、あなた自身の快適な未来と長く続く満足感への「投資」だと私たちは考えています。
【この記事のポイント】
- オーダー方法によって値段と特徴が変わる。
- 値段は主に「素材」「木型」「技術料」で決まる
- 価格以上の価値は、フィット感・品感・デザイン・サポートにある
- 後悔しないためには、値段+「目的・信頼性・長期的な視点」で選ぶ
私たち元麻布スピカは、単に靴を販売するのではなく、「お客様の履きやすいを追求し、一足を大切に長く履き続けるためのパートナー」でありたいと心から願っています。
もし、あなたがオーダーメイド革靴の世界に少しでも興味を持たれたなら、ぜひ一度、私たちにお話を聞かせください。あなたの足の悩み、靴へのこだわり、そして理想の一足について、専門家として、そして一人の靴好きとして、全力でご相談に乗らせていただきます!