投稿日:2025.11.11 最終更新日:2025.11.11
初めての革靴なら「カウハイド」を推奨!“他の牛革”と比較しつつ理由を解説!

革靴選びは楽しいものですが、いざお店で「カウハイド」「カーフ」「ステア」といった専門用語を耳にすると、「一体何が違うんだろう?」と迷ってしまうことがあると思います。
実は革靴の印象や履き心地、そして価格はこの「革の種類」によっても大きく異なります。
本記事では「そもそもカウハイドとは何か」から、他の牛革との違いや、あなたに最適な一足を見つけるための「選び方の軸」まで分かりやすく徹底解説します!
この記事を読めば、こんなことが分かります!
- そもそもカウハイドってどんな革?
- 「カウハイド」をはじめとする牛革の違い
- 目的別の最適な革の選び方
- スピカでのオーダー事例と具体的な価格
- 購入後も安心の「永久メンテナンス保証」について
革靴の代表的な素材「カウハイド」とは?
まずは「カウハイド」について詳しく見ていきましょう。カウハイドがどのような革なのか、その定義と具体的な特徴を解説します!

カウハイドの定義
「カウハイド」とは、生後2年以上が経過し、出産経験のあるメス牛(牝牛)から採れる革のことです。
牛革は、牛の年齢や性別によって細かく名称が区別されており、革の性質を決定づける重要な要素となっています。カウハイドは、その中でも「成牛のメス牛の革」として位置づけられています。
ちなみに、出産経験のない若い雌牛の革は「カルビン」と呼ばれることもありますが、市場に流通することは稀です。
カウハイドの特徴
カウハイドのもっとも大きな特徴は、厚みと耐久性、そしてしなやかさのバランスが良い点にあります。
「厚みと耐久性」がある
厚みがあり繊維の構造がしっかりしているため、非常に丈夫で耐久性に優れています。仔牛の革であるカーフやキップよりは厚く、日常的な使用にも十分耐えうる強度を持っています。
「柔らかさとキメ」がある
同じ成牛でも、オスの革(ステアハイドやブルハイド)と比較すると薄手で柔らかいのが特徴です。革表面のキメも、仔牛の革ほどではありませんが、オスの成牛革よりは滑らかな傾向にあります!
「他の牛革のとの違い」を徹底解説!

それでは、カウハイド以外の牛革についても、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。牛革は、主に牛の年齢と性別によって区別されます。ここでは代表的な4種類の特徴を解説します。
カーフスキン|生後6ヶ月までの仔牛の革
カーフスキンは、生後6か月程度までの仔牛から採れる革で、牛革の中では“最高級品”とされています。
最大の特徴は「赤ちゃんの頬のよう」とも形容されるような、柔らかさと表面のキメの細かさです。傷やシワがほとんどなく、非常に滑らかで、上品な光沢を放っています。
またそもそも革が薄く軽いため、足馴染みが良いのも魅力です。
その希少性と美しさから、高級紳士靴のアッパー(甲革)や、高級ブランドの財布・名刺入れなどに使用されます。
ただし繊維組織がまだ未成熟なため、耐久性は他の牛革に劣ります。引っ掻き傷や摩耗に弱いため、デリケートな扱いや丁寧な手入れが求められます。
キップスキン|生後6ヶ月〜2年以内の牛革
キップスキンは、生後6か月から2年未満の中牛の革で「カーフに次いで上質」と位置づけられています。
カーフスキンが持つキメの細かさや柔らかさを残しつつ、少し厚みが増して耐久性が向上しているのが特徴です。カーフほどの繊細さはありませんが、成牛の革よりはずっと滑らかで、上品な印象を与えます。
カーフの「美しさ」と、これから紹介するステアハイドの「丈夫さ」を良いとこ取りした、バランスの取れた革ともいえます!
紳士靴・婦人靴はもちろん、革小物まで幅広く使用されています。
ステアハイド|生後数ヶ月の「去勢された雄牛」の革
ステアハイドは、生後3〜6か月の間に去勢され、2年以上かけて食肉用に育てられたオス牛の革です。
市場に流通している牛革の中でもっともメジャーな牛革の種類で、厚みがあって非常に丈夫な点が最大の特徴です。また気性が穏やかで、牛同士の喧嘩による傷が少なく、革の品質が安定しています。これが「去勢する理由」になっています。
一枚の革の中でも厚みや繊維の密度が均一なため、履き始めはやや硬さを感じることもありますが、使い込むほどに足に馴染んでいく過程を楽しめる革です!
【職人が語る】ステアハイド革靴とは?特徴からメンテナンス方法まで解説!
革靴を選んでいると「ステアハイド」や「カーフ」といった専門用語を目にするものの、一体何が違うのか、自分の使い方にはどちらが合っているのか、迷ってしまうことはありませんか。 どうせなら、手入れをしながら長く使える、愛着の湧く一足を選びたい。多くの方がそう願っているはずです。結論からいうと、その願いを
ブルハイド|生後3年以上の雄牛の革
ブルハイドは、生後3年以上経過した、去勢されていない繁殖用のオス牛の革です。
牛革の中でもっとも硬く、分厚く、そして頑丈。繊維組織が非常に密で、表面のキメも粗く、ワイルドで荒々しい表情が特徴です。気性が荒いため原皮には傷跡が多く残りがちですが、それもまたブルハイドならではの「味」となります。
耐久性が高い反面、一般的な革靴(ビジネスシューズなど)に使われることは少なく、主な用途はエンジニアブーツのような本格的なワークブーツや、ブーツの靴底(アウトソール)、工業用のベルトなど、極めて高い頑丈さが求められる製品に採用される革となっています。
初めての革靴なら「カウハイド」を推奨!
それぞれの革の特徴がわかったところで「結局、自分はどの革を選べばいいの?」という疑問があると思います。
結論「初めての一足」や「ビジネス用途」での革靴を探している方にこそ、カウハイドを推奨しています。その理由は以下の通り。
理由1: 耐久性が高く長持ちするから
カウハイドは厚みがあり繊維が頑丈なため、毎日の通勤や外回りで酷使してもへたりにくく、長期間愛用できます。
カーフスキンのようにシワができやすいこともなく、ステアハイドのようにカッチリもしていないため「革靴は初めてだけど、少し硬そうで自分でも履けるかな…」と感じている方にこそ選んでいただきたい革靴です。
理由2: メンテナンスがしやすいから
革靴は「履き潰したら捨てる」ものではなく、毎日履くことで「一生モノに育てていく」もの。そのためには定期的なメンテナンスが不可欠なのですが、このメンテナンスの難易度が低いのもカウハイドの特徴です。
仔牛の革に比べて水やキズにもある程度強く、ブラッシングなどの基本的なケアを定期的に行うだけで美しい状態を長く保つことができます。
理由3:初めてでも「入手しやすい価格」だから
流通量が多く品質も安定しているため、カーフスキンのような最高級レザーに比べて入手しやすい価格帯であることがほとんど。
「革靴ってちょっと高そう…」「でも安すぎるものを買ってもすぐダメにしそう…」という方こそ、ぜひカウハイドの革靴を手に取っていただきたいと思います。
【職人コメント】上品なドレスシューズなら「カーフスキン」も!

もし、普段使い用に「もう少し上品でオシャレな革靴を」という方は、カーフスキンを推奨しています。
カーフスキンはキメが細かく、滑らかな革の表面には「美しい光沢」があります。磨き上げれば鏡のように輝くので、式典などの少しオシャレな場面でも足元に高級感を与えてくれます。(「鏡面磨き・ハイシャイン」ともいいます)
もしカーフスキンのデリケートさが心配な場合は、キップスキンもおすすめです。
もし素材選びで迷ったら、ぜひ革靴専門店のスタッフなどに「履きたいシチュエーション」とあわせてご相談いただくと良いと思います!
“理想の一足”を仕立てる「オーダーメイド」の選択肢

自分に合う革がわかったら、次はいよいよ「どこで、どのように手に入れるか」です。
当社スピカでは、あなたの理想を形にする「オーダーメイドシューズ」を、購入後のことまで考えてご提案します。ここから詳しくご紹介します!
“こだわり”に合わせて3つのオーダープランを用意
スピカでは、お客様のご予算やこだわりに合わせて、3つのオーダープランをご用意しています。
セミオーダー(パターンオーダー) :初めての方向け
「オーダーメイドに興味はあるけれど、まずは試してみたい」。そんな方に最適なのが「セミオーダー(パターンオーダー)」です。
セミオーダーは、あらかじめ用意された多数の靴デザイン(モデル)や木型(ラスト)の中から好みのものを選び、革の種類や色、ソールの仕様などを指定して組み合わせるオーダー方法です。
既成の木型をベースにするため、フルオーダーに比べて工程がシンプルで、比較的短期間かつ手頃な価格で「自分だけの一足」に近い靴が手に入ります!
【スピカのセミオーダーシューズの特徴】
ダークな木製の作業台の上に、ブラウン、イエロー、レッドなど、色や質感の異なる様々な天然皮革のサンプルが豊かに重ねられている。横には渦巻き状に巻かれた靴紐とチャコペンも置かれ、革細工の素材選びやデザインのインスピレーションを感じさせる。
スピカでは、このセミオーダーにあたる「パターンオーダー」を、本格オーダーの入り口としてご用意。7種類の基本モデルに、650通り以上の革・ソール・内張りの組み合わせが可能です。
100足超の試着靴と8種のウィズで最適な履き心地を追求し、約3ヶ月でお届けします!
プレミアムラストオーダー:より“こだわり”を入れたい方向け
やはりオーダーされる方が一番気にされている部分は「履き心地」と「値段」です。
- セミオーダーよりワンランク上の靴が欲しい
- でもフルオーダーにはなかなか高くて手が出せない…
そんな理由で一度見送ってしまった方にもぜひ革靴を楽しんで欲しい。
そんな想いで生まれたのがセミオーダーとフルオーダーをいいとこ取りしたスピカの新グレード「プレミアムラストオーダーシューズ」です。
当社のプレミアムラストシューズは、モデル、トゥデザイン、革やレザーカラー、ソールやヒールのデザインなどなど、約8,000通りのデザインからあなただけのデザインに仕上げられます。
また靴づくりの最終工程は、熟練した職人の手作業で仕上げ、フィッティングに影響を与えない工程のみを厳選して機械化することで、クラフトマンシップの技と現代的な効率性を追求。
まるでビスポーク(フルオーダーシューズ)のような高品質ながら、納期と価格を抑えています。かかとはやや小ぶりに設計することで、ホールド感をアップします!
ビスポーク(フルオーダー):“世界に1本だけ”のオリジナル革靴
「一切の妥協なく、自分の理想を完璧に表現したい」「自分の足にフィットする、世界でただ一つの靴が欲しい」。そんな究極の願いを叶えるのが、オーダーメイド革靴の最高峰「フルオーダー(ビスポーク)」です。
「be spoken for(顧客と話しながら作る)」の語源通り、職人とお客様が密にコミュニケーションを取りながら、文字通りゼロから最高の一足を作り上げます。
最大の特徴は、お客様一人ひとりの足の形に合わせて専用の木型を一から製作すること。そして、デザインも既存の枠にとらわれず、自由に製作できます!
購入後の安心|スピカの「永久メンテナンス保証」について
スピカが他の靴屋と大きく違う点。それは「売って終わりではない、靴の一生に寄り添う」という姿勢です。
その想いを形にしたのが、スピカ独自の「永久メンテナンス保証」です。
スピカでオーダーシューズをご購入いただいたお客様は、
- いつでも靴磨きが無料
- 修理代が常に15%OFF
という2つのサービスをご提供しています。
「革靴は欲しいけれど、買った後の手入れや修理代が心配……」そんなお客様の不安を解消し、一生モノの相棒にして欲しい。
それが私たちの、革靴と、ご購入いただいたお客様への思いです。
あなたの「相棒」となる革靴を見つけるために
この記事では、カウハイドをはじめとする牛革の種類と、ご自身の目的に合った革靴の選び方について解説してきました。
カウハイドのバランスの良さ、カーフの繊細な美しさ、ステアハイドの頼れる頑丈さ。それぞれの革が持つ個性を理解することが、愛着を持って長く付き合える一足、あなたの本当の「相棒」を見つけるための第一歩です。
この記事のポイント
- 牛革は主に牛の年齢と性別で区別され、それぞれに異なる特徴がある。
- カウハイドは、耐久性としなやかさのバランスが良い万能な革。
- ビジネス用途ならステアハイド、特別な一足にはカーフスキンなど、目的に合わせた選択が重要。
- 良い革靴は、適切な手入れをすれば何十年も履きつづけることができる。
当社ではお客様一人ひとりのライフスタイルやお好みをじっくりと伺い、豊富なサンプルの中から最適な革をご提案します。「売って終わり」ではない、ご購入後の「永久メンテナンス保証」まで見据えたご提案を私たちはお約束しています。
もし革靴選びに迷ったら、初めてのオーダーメイド革靴に挑戦したい!という方こそ、ぜひ一度スピカへご相談ください!