会議で靴を脱ぐシーン、足の臭いが気になって冷や汗をかいた経験はありませんか。
革靴を履いていると足が蒸れて、どうしても不快ですよね。実は、革靴の蒸れには明確な原因があり、正しく対策すれば確実に改善できます。
本記事では、これまでさまざまな革靴と向き合ってきたプロが、蒸れる原因から効果的な対策まで完全解説します!
- 革靴が蒸れる3つの根本原因
- 今すぐ実践でき「蒸れ防止策」!
- 蒸れてしまった後の対処法!
そもそも:なぜ革靴って蒸れやすいの?

蒸れを解消するには、まず「なぜ蒸れるのか」の原因を理解することが重要です。
1. 1日に足から出る汗の量が多いから!(1日にコップ1杯分)
人間の足裏には非常に多くの汗腺があり、1日で両足から約200ml、つまりコップ1杯分の汗をかきます。
この汗は体温調節のための自然な生理現象です。しかし、革靴という密閉空間では汗が逃げ場を失い、靴内部の湿度が99%以上に達することもあります。
この「高温多湿なお風呂場状態」が、雑菌繁殖を招き、臭いの原因になります。
汗そのものは無臭ですが、靴の中という密閉環境では蒸発せず溜まるため、雑菌が繁殖しやすい環境になってしまうのです。
2. 革靴は湿気がこもりやすいから!
革靴、特にビジネス向けのデザインは履き口が狭く、空気がこもりやすい構造になっています。
天然の本革はある程度の通気性がありますが、ゴム底や裏地などでほぼ密閉された空間になるため、内部の湿気が逃げにくくなっているのです。
3. サイズが合わないと余計に汗をかく!
最も見落とされがちな原因が、「靴のサイズが足に合っていない」という点です。
サイズが大きすぎる場合、足は脱げまいと無意識に力み、いわゆる“緊張の汗”をかいてしまいます。
足が靴の中で滑り摩擦が生じて、発汗が増加するのです。しかもこの緊張汗は普段の汗より臭いやすいという特徴があります。
一方、サイズが小さすぎる場合は、足が圧迫され血行が悪くなり足が熱くなることで発汗を促します。指が動かず汗をかきやすく、靴中が窮屈になり通気性も悪化します。
革靴の大きさについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください!
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革靴の蒸れを防ぐには?今すぐできる6つの方法

原因を理解したところで、今すぐ実践できる蒸れ対策をご紹介します。
15年間で数千人の足を見てきた経験から、どの革靴にも共通する効果的な対策をまとめました。
1. フィットする靴を選んで「余分な汗」を防ぐ
「サイズの合った靴選び」は蒸れ対策の基本中の基本です。
どんなに高機能な中敷きや靴下を使っても、靴自体が足に合っていなければ効果は半減します。
スピカでは「足の悩み解決の第一歩は自分の足に合った一足を選ぶこと」と考えています。
足長だけでなく、足幅(ワイズ)や甲の高さまで考慮したフィッティングが必要です。多くの人は自身の正確な足サイズを知らず、メーカーやデザイン毎にフィットが異なることも認識していません。
靴が足にフィットしていれば、余計な汗をかきません。
専門店で足を計測してもらうのが確実です。スピカでは100足以上の試着靴と8種類のウィズ(足幅)を用意して計測・フィッティングしています。
ジャストサイズの靴を知れば、靴の中で足が遊ばず摩擦汗が減り、逆に締め付け過ぎによる発汗も防げます。
革靴による蒸れ・ニオイを防ぐには、サイズの合った革靴を選ぶことが最も重要なのです。
2. 吸湿インソール+制汗剤で「湿気」をブロック!
「中敷き(インソール)」と「足用制汗剤」のダブル使いで、靴中の湿気をブロックできます。
革製や活性炭入りなど吸湿・消臭効果のあるインソールが市販されています。
抗菌・防臭効果のある中敷きを入れ、数日に1回取り換えることが推奨されます。中敷きが湿ってきたら陰干しして乾燥させ、別の乾いたインソールとローテーションするのも良いでしょう。
制汗剤は靴を履く前の清潔な足に塗る・スプレーするのが効果的です。
足指の間までムラなく塗れるクリームタイプやロールオンタイプが人気で、発汗そのものを抑える作用があります。朝出かける前に使い、日中必要に応じてスプレー型消臭剤でリフレッシュすると万全です。
3. 1日履いたら1日休ませる「靴の休息」習慣!
「1日履いた靴は最低1日休ませる」のが鉄則です。
1日履いた革靴には約コップ1杯分の汗が染み込んでおり、それが完全に乾くまでに48時間程度かかります。
湿度が高い夏場では完全乾燥に2〜3日かかることもあります。
連日同じ靴を履くと湿ったままの状態でさらに汗を吸収し、湿度の累積でますます蒸れ・臭いが悪化します。
湿ったままでは靴自体が傷みやすく、カビも生えやすくなります。雑菌も繁殖しやすくなり臭いの元になります。
理想は2足以上の革靴を用意してローテーションすることです。2〜3足を日替わりで履き回すのがおすすめです。
帰宅後すぐに靴の中敷きや紐を外して乾燥を促すことも大切です。乾燥剤(シリカゲル)や新聞紙を靴に入れて一晩置く方法もあります。
お気に入りでも毎日履かず、靴にも休息を与えることで、靴の寿命も延びます。
日々の休息と合わせて、正しいメンテナンスを行うことで、お気に入りの革靴をさらに長く愛用できます。
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4. 吸湿性の高い「靴下」も重要!
靴下の素材・厚さも蒸れに大きく影響します。
綿(コットン)や麻(リネン)、ウールなどの天然繊維は吸湿・放湿性に優れており、足汗をしっかり吸い取ります。
メリノウール素材のビジネスソックスなどは薄手でも吸湿性が高く、夏場でも快適です。
5本指ソックスは指間の汗を個別に吸収できるため、蒸れ軽減に有効です。
避けるべきなのは薄手や化学繊維の靴下、素足です。
ポリエステル主体の靴下は通気性が悪く、汗を吸収しきれません。ビジネス用でも吸湿機能のある靴下を選びましょう。
手持ちの靴下を見直してみてください。ポリエステル主体なら綿混紡の厚手ソックスに変えるだけでも違います。
予備の靴下を持参し、昼休みに履き替えるのも効果的です。
5. 足を清潔に保つ(角質ケア・こまめな洗浄)!
汗そのものは無臭ですが、皮膚の角質や皮脂を栄養に雑菌が繁殖すると強い臭い(イソ吉草酸など)が発生します。
足を常に清潔に保ち、雑菌のエサとなる古い角質を溜めないことが重要です。
入浴時に足の指の間まできちんと洗いましょう。
意外と指の間や爪の隙間は洗い残しが多いので、石鹸をよく泡立て指の股を1本ずつ洗います。洗った後は指の間までしっかり拭いて乾かしてください。
週1〜2回の角質ケアが効果的です。
軽石やフットファイルで踵など角質の厚い部分をやさしく削り、古い角質を除去します。角質ケア後は保湿クリームを塗っておくと、角質が硬く厚くなりにくくなります。
爪も定期的に切り、爪の中の汚れもブラシで落としましょう。
足の裏の古い角質は雑菌のエサになるので、こまめなケアが大切です。朝、出勤前に足を拭くだけでも効果的です。
6. シューキーパーで湿気を逃がす!
革靴を脱いだら木製のシューキーパーを入れるのがおすすめです。
木製キーパー、特に杉(シダー)材は靴の湿気を吸収しつつ、芳香で臭いを抑える効果もあります。
シューキーパーは湿気取り・脱臭・型崩れ防止の3つのメリットがあります。靴を長持ちさせたいならシューキーパーは必須です。
木が湿気を吸うことで、靴内部を乾燥させカビや雑菌の繁殖を防げます。靴のシルエットも整います。
プラスチック製のキーパーも市販されていますが、吸湿効果はないため蒸れ対策には木製がベターです。
プラスチックは主に型崩れ防止用と考えてください。
脱いですぐ入れることがポイントです。靴が温かいうちに入れた方が木が湿気を効率よく吸います。
注意点として、サイズや形が靴に合ったものを選ぶ必要があり、先がきつ過ぎると革を伸ばしてしまう恐れもあります。
また、今回は着用中の蒸れ対策をご紹介しましたが、革靴を長持ちさせるには保管時の湿気対策も非常に重要です。
梅雨に実践したい革製品のメンテナンス方法
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やってはいけない間違った蒸れ対策は?

蒸れ対策として良かれと思ってやっていることが、実は逆効果になっているかもしれません。
ここでは、よくある間違った対策と、なぜそれがダメなのかを解説します。
NG①:薄手の靴下を履く
夏場に蒸れるからと薄手のビジネスソックスを履くのは逆効果です。
薄い化学繊維(ナイロンやポリエステル)の靴下は汗をほとんど吸わず、足と靴の間で汗が行き場を失い蒸れが悪化します。
薄手=通気性が良いように感じますが、実際は汗を吸わずベタつくので悪循環になります。厚手の吸湿靴下に変えましょう。
NG②:「布製品用スプレー」を吹きかけてしまう
衣類用の消臭スプレーを革靴に吹きかけるのはNGです。
これらの多くは水性で繊維製品向けに作られており、革に吹き付けるとシミになったり革を硬化させたりする恐れがあります。水に弱い革製品への使用は避けるよう、注意書きがある製品も少なくありません。
靴用消臭剤は必ず「革製品対応」のものを選んでください。
NG③:直射日光・ドライヤーで乾燥させてしまう
濡れた革靴を早く乾くしたいからと天日干しにしたりドライヤーの熱風を当てたりするのはNGです。
革は高温や強い紫外線に晒されると、内部の油分・水分が一気に失われて乾燥硬化し、ひび割れが生じます。
特に色の濃い革は日光で色褪せもしやすく、茶色の靴などは斑(ムラ)になって取り返しがつかなくなることもあります。
ドライヤーの温風を至近距離から当てると革が収縮・変形して、ソールの接着剤が溶け出す危険すらあります。
どうしても早く乾かしたい場合は、ドライヤーの冷風や扇風機の風を当てる程度に留めてください。
濡れた革は熱に弱いため、縮んでゴワゴワになったり、油分が抜けて固くなったりしてしまいます。一度収縮した革は元には戻せません。
風通しの良い日陰で自然乾燥させるのが最も革に優しい方法です。
蒸れ・臭いが出てしまったら?3つの対処法

既に蒸れや臭いが出てしまった靴でも、まだ諦めないでください。
ここでは、自分でできる対処法を段階別に紹介します。
1. 「消臭スプレー+陰干し」で応急処置!
革製品用の消臭・抗菌スプレーを活用しましょう。
市販の革靴対応スプレーには、除菌成分(銀イオンなど)と消臭成分(柿渋エキス、茶カテキン等)が含まれており、臭いの原因菌を抑制します。
使い方は靴を脱いだ直後に靴の中へまんべんなく噴射してください。
布製品用スプレーは使わず、必ず「靴・革製品用」と明記されたものを使いましょう。
スプレー後は靴を風通しの良い日陰に置き、しっかり乾燥させましょう!
2. 重曹・乾燥剤で臭いを吸収!
家庭にある重曹(炭酸水素ナトリウム)は優れた消臭剤です。
不要な靴下やお茶パックに重曹を大さじ数杯入れ、それを靴の中に一晩入れておくだけです。
重曹は湿気を吸い、臭いの元となる酸性物質を中和する働きがあります。乾燥剤(シリカゲルなど)も効果的です。靴用除湿剤は100円ショップ等でも購入でき、靴にポンと入れて放置するだけです。靴が十分乾燥したら取り出すか交換しましょう。
蒸れを放置するとどうなる?

「今は大丈夫」と思って蒸れを放置すると、後で取り返しのつかないことになります。ここでは、蒸れを放置することで起こる悪影響を3つの視点からお伝えします!
革靴にカビ・劣化が発生する
湿気が多い環境ではカビ(真菌)が発生しやすくなります。革はカビの栄養源になる有機物を含んでおり、一度カビが生えると見た目も臭いも酷くなります。
特に黒カビは革の内部まで菌糸(きんし)と呼ばれる糸状の細胞を根のように伸ばすため、いくら洗っても黒いシミが残ってしまうことがあります。
高湿度下では雑菌が革を分解し、悪臭が靴に染みつき取れなくなるケースもあります。
湿気と乾燥を繰り返すことで革繊維が劣化し、ひび割れや型崩れが起こります。本来10年以上履けるはずの革靴が数年で内部ボロボロになることも珍しくありません。
水虫などの足のトラブルが起きる
「水虫」を筆頭に、蒸れの放置は足の健康に悪影響です。
水虫の原因である白癬菌は高温多湿を好むカビ菌で、蒸れた靴中はまさに格好の繁殖環境です。一度水虫になると完治に時間がかかり、治っても再発しやすい厄介な病気です。
水虫までいかなくとも汗疹(あせも)や湿疹も発生します。雑菌が増えると足の皮膚に赤み・かゆみ、炎症の原因となります。
まとめ:もう二度と蒸れ・臭いに悩まないために

革靴の蒸れは、原因を知り正しく対策すれば必ず解消できます。この記事で解説したポイントを実践し、不快な蒸れや臭いを防ぐようにしましょう!
この記事のポイント
- 蒸れは足汗、靴の構造、サイズの不一致から起こります。
- 対策の基本は、自分の足にフィットする靴を選ぶことです。
- 吸湿性の高い靴下やインソールを活用し、靴を休ませる習慣をつけましょう。
- 衣類用スプレーやドライヤーでの急な乾燥は、革を傷めるのでNGです。
- 蒸れの放置は靴や足のトラブルを招き、ビジネスでの信用も失いかねません。
中でも最も重要なのは、「自分の足に合った靴を選ぶこと」です。靴のサイズが足に合っていなければ、どれだけ対策しても蒸れは根本から解決しません。
スピカでお作りいただいた靴には無料の靴磨きや修理15%オフなどのアフターサポートが付いており、一生ものとして育てていけます。
まずはできるところから、一つずつ始めてみてください。もう蒸れと臭いを気にしない快適な革靴ライフを愉しんでください!
