2009.09.16
信念
いつもの たなか です。
最近お店が忙しいです。 スタッフ一同、以前より多くのお客様にご来店いただけていると感じています。
だがしかし、難しい内容の修理が増えているのも事実です。
やはり内容によってはお断りせざるを得ないことがあることも事実です。
私が靴に関わって約10年、様々な経験をさせていただき、様々な靴を見てきました。
そんな経験上、思うことがあります。
それは、「修理できないモノはない」 ということです。 上記の内容と矛盾するようですが、これも事実です。
なぜかというと、修理には2種類あって 「補修」 と 「交換」 です。
補修で対応できない場合は交換という選択肢があるので大概のことには対応できるのです。
で、そんな中でお断りせざるを得ないとはどういうことか。
例えばアッパーもソールもボロボロの靴。 ある意味オーナーに愛されてきたと言えますが、反面愛されなかったとも言えます。
その靴を購入されたときの金額が3万円だったとしましょう。 しかしながら、その靴を再び履けるようにするまでに10万円かかる場合があります。 なぜかというと、修理にかかる金額はその靴の値段は関係なく、作業にかかる時間と材料によってはじき出されるからです。
もちろんすべて説明させていただいた上で、「それでも構わない」 とお客様が仰るのであれば私たちは喜んで心を込めて作業させていただきます。
しかしながら、いくら時間と手間と愛情を込めて作業したとしても、どんなにお金をかけたとしても、その後の使用に耐えられないだろう、金額に対し見合わないだろう、という場合があります。
このような場合、すべて説明した上で私たちは自信を持ってお断りさせていただきます。
それがお客様とそのモノに対する誠意だと思います。
私たちは、少なくとも私は自分たちの仕事を修理業ではなくサービス業だと考え働いています。
世の中の仕事はどのような業種であれ、「お客様」 が存在する以上すべてサービス業だと思います。 であれば、自分に出来ないことを知り、その理由を説明し、自信を持ってお断りさせていただくことが私たちを信頼してくれるお客様に対する誠意だと私は考えます。
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たなか