革靴ブランド事典Leather Shoes Brand
ジンターラ/ZINTALA(イタリア)
「クラシコイタリア」を牽引するジンターラ
ジンターラ(ZINTALA)はメンズシューズのデザイナーであり職人のシルバノ・ラッタンジがイタリアで設立したブランドです。
シルバノ・ラッタンジが靴作りの世界に入ったのはなんと9歳のときでした。その頃から靴作りに向き合い、鍛えられたことで、芸術作品のような靴の数々が誕生したのです。
ジンターラの靴に不可欠な職人技術
ジンターラではすべての靴がハンドメイドで作られているため、とても希少性が高いと言えます。あまりに手に入れにくいので、一時は「ジンターラ=幻の靴」と言われることもありました。
それほど希少であるのに需要が高かったのは、ジンターラの持つ職人技が確かなものであったからに違いありません。
ジンターラで取り入れている代表的な職人技術に「ベンティベーニャ製法」があります。ベンティベーニャ製法とは、ウェルトをアッパー(靴の甲の革)の全周に縫合し、さらにウェルトのつま先とソールをだし縫いする製法です。非常に手間がかかりますが、高い防水性と重厚感を持った靴に仕上がります。
この他にジンターラが用いる製法として、グッドイヤーウェルト製法、ハンドソーンウェルテッド製法が挙げられます。
多様な製法を駆使し、高品質な靴を提供し続けるということは、ジンターラが抱えている職人の技術力が非常に高いレベルであることを裏付けています。
ジンターラのデザイン
ジンターラにはシャープな形の靴が多く、スーツはもちろん、ジャケットを合わせたカジュアルスタイルに良く合います。全体的にはクラシックなデザインが多く見られるジンターラですが、遊びやトレンド、モードを取り入れたコレクションも展開しています。
靴を履く様々なシチュエーションに合わせられるデザイン幅の広さも、ジンターラの魅力のひとつです。
現在、ジンターラのコレクションとして、トップラインの「シルバノ・ラッタンジ(SilvanoLattanzi)」、セカンドラインの「ジンターラ」、カジュアルラインの「メイドインマルケ(MADE IN MARCHE)」、シルバノ・ラッタンジの息子であるパオロ・ラッタンジの名前を冠した「パオロ・ラッタンジ(Paolo Lattanzi)」があります。
「クラシコイタリア」を牽引したジンターラ
ジンターラは「ステファノ・ベーメル(Stefano Bemer)」や「ステファノ・ブランキーニ(Stefano Branchini)」などのイタリア名門メンズシューズブランドと並ぶ高級ブランドです。イタリアンクラシックスーツブームの代名詞である「クラシコイタリア」の流行を牽引したのも、ジンターラであると言われています。
ジンターラの靴は最高級の素材を使用し、高い技巧を駆使して製造されています。靴業界の中での価格は最高ランクと言われていますが、質も非常に高いです。
「いつかはジンターラを履いてみたい」といった、ジンターラに対する憧れを抱く靴好きも少なくありません。
ジンターラの歴史
1971年、シルバノ・ラッタンジ氏が、イタリアにてシューズメーカー「ジンターラ」を創業。このときシルバノ氏は21歳。
1992年、ローマにジンターラの直営1号店をオープン。
以降、世界中に名を馳せるトップ靴ブランドとして活躍を続けている。