革靴ブランド事典Leather Shoes Brand
パラブーツ/Paraboot(フランス)
登山靴のエッセンスを取り入れたパラブーツ
パラブーツ(Paraboot)は1908年創業のフランスのシューズブランドです。
パラブーツを展開するリシャール・ポンヴェール社は、フランス東部の町イゾーの小さな靴工房として始まりました。創業者のレミー・リシャール・ポンヴェール氏はこの工房で山岳労働者向けの靴を作り、リシャール・ポンヴェール社は登山靴のメーカーとして成長を遂げます。
パラブーツ誕生のきっかけは、1927年にポンヴェール氏がアメリカで入手した1足のラバーブーツにありました。ポンヴェール氏はこのラバーブーツをヒントに天然ラテックスソールの靴を作ることを思い付きます。ブラジルのパラ港から輸入した天然ラテックスをソールに用いた靴を製作し、ブランド名をパラ港にちなんでパラブーツと名付けたのです。
堅牢なノルウィージャンウェルト製法で作られるパラブーツ
天然ラテックスのソールを用いるアイデアから誕生したパラブーツ。そのソールは自社生産され、今もそのスタイルは変わっていません。パラブーツは世界でも珍しい、ソールを自社生産するシューズブランドなのです。
パラブーツの特徴は自社生産によるオリジナルソールだけではありません。ノルウィージャンウェルト製法で靴作りが行われている点も大きな特徴です。
ノルウィージャンウェルト製法によって作られる靴は堅牢で足への負担が少なく、疲れにくいのが魅力ですが、150以上もの工程を要する大変手間のかかる製法です。パラブーツでは創業当時から伝統的なこの製法を続けており、熟練の技術と色あせない高いデザイン性で、フランス国内はもちろん、世界中のファンから支持される老舗ブランドとなりました。
パラブーツの歴史
1908年、アルピニストが集まるフランス東部の町イゾーで、レミー・リシャール・ポンヴェール氏が小さな靴工房を開く。この靴工房がパラブーツを展開するリシャール・ポンヴェール社の前身。
1927年、ブラジルのパラ港から出荷される良質な天然ラテックスを輸入し、ラバーソールの自社生産を開始。その自社製ソールを用いたシューズブランド、パラブーツがスタート。