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エルメス/Hermes(フランス)- ケリー

世界中のファッショ二スタを虜にするケリー

エルメス(HERMES)は全世界の女性の憧れのブランドです。なかでも「ケリー(Kelly)」はバーキン(Birkin)と並ぶ、エルメスのアイコン的存在。素材や色のバリエーションも豊富で、どんな服装や場面にもマッチします。

時代を超えて愛されるケリー

美しい台形のシルエットにフラップ、クロアとそれを留めるカデナを見れば、誰もがそのバッグを「エルメスのケリー」と思うのではないでしょうか。
ケリーの特徴は「外縫い」と「内縫い」の2タイプがあること。マチの合わせを外に出して縫った外縫いには角があり、かっちりとした印象になります。内縫いはマチの合わせを内側に折り返して縫ったもので、こちらは角がないためふっくらと柔らかなフォルムになります。
素材やカラー、サイズ以外にも、ケリーはこの外縫い・内縫いで印象を変えられるバッグです。
サイズは幅15cmのミニミニケリーから、ハンドバッグとしては大きめの幅40cmまでの8展開。25cm以上のケリーには、肩に掛けられるショルダーストラップが付属しています。
ケリーは長い間デザインが変わらないため、時代を超えて使い続けられます。底部には本体を傷から守るための鋲が打たれ、たくさん荷物を詰め込んでも、マチをまとめるクロアが美しいシルエットを保ってくれます。
修理工程がしっかりしていることも、長く使い続けられる理由の1つ。エルメスは、1つのバッグを一人の職人が一貫して作り上げることで知られていますが、ケリーのクロアには製造年、アトリエ、職人のコードが刻まれています。エルメスでケリーの修理を依頼した場合は、この刻印から製造した職人の元へ送られるのです。

1枚の写真から誕生したケリー

1935年、エルメスに新たなバッグが誕生しました。その名は「サック・ア・クロア」。クロアとはベルトを指し、文字通り「ベルト付きバッグ」という意味です。
このバッグを愛用し、世界中で爆発的に知名度を上げるきっかけとして、あまりにも有名なのがモナコ公国のグレース公妃の1枚の写真です。
ハリウッド女優のグレース・ケリーは、1955年のカンヌ国際映画祭でモナコ公国の大公・レーニエ3世と恋に落ち、二人は翌年に結婚。グレース・ケリーはモナコ公妃となり、「現代のシンデレラ・ストーリー」と世間を賑わしました。
結婚したその年、「懐妊しているのでは」とマスコミに追われていた公妃は、シャッターを切られる瞬間、とっさにバッグでおなかを隠します。
その写真は雑誌「LIFE」の表紙を飾り、公妃が持つバッグは瞬く間に世界の女性から注目を集めました。このバッグこそがサック・ア・クロア。
社会現象といえるほどの人気から、エルメスはモナコ公国の許可を得て、サック・ア・クロアを「ケリー」と改称。現在まで世界中の女性の憧れの的となっている、ケリーが誕生したのです。

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