バッグブランド事典Bag Brand
エルメス/Hermes(フランス)- バーキン
エルメスのバッグと言えば、バーキン
バーキン(Birkin)は、ケリー(Kelly)と比べて歴史は浅いものの、人気を二分するエルメスのバッグの代表作。発表以来ほとんどモデルチェンジを行わず、その四角いフォルムとマチをまとめるクロアから、一目で「バーキン」とわかるバッグです。
バーキンは、色も素材もサイズも豊富
バーキンは発売当初はオーダーでの製造でしたが現在は取りやめて、店頭に並ぶ量も以前よりは増えました。ケリーと同じようにカデナとクローシュ、クロアが特徴ですが、四角くマチが広いところが特徴。カジュアルバッグに分類されますが、小さめのサイズやショルダータイプならパーティーやフォーマルなどでも十分に活躍してくれます。
サイズは25cm、30cm、35cm、40cm、45cmの5種類。小柄でも持ちやすいと日本では30cmが人気ですが、欧米ではほとんど見かけることはないそうです。
バーキンの素材は牛革をはじめ、クロコダイルやリザード、オーストリッチと多彩。牛革も牛の性別や年齢、型押しの状態などで種類が変わります。
日本で一番人気なのはオスの仔牛に限定した「トゴ」で、1997年に登場した素材です。適度な柔らかさがあって傷に強く、ほどよい目の大きさが特徴。扱いやすく、現在エルメスの中でも一番流通している素材です。
1984年の誕生からほとんどデザインに手を加えていないバーキンですが、コレクションごとに素材やカラーのバリエーションを広げていて、エルメスならではの素材やカラー選びを楽しめます。
バーキン誕生の秘密
バーキンといえば、高い収納力です。マチが広くとられていて、なんでも詰め込むことができます。そして、その機能性は誕生のエピソードに由来します。
エルメスの5代目社長ジャン=ルイ・デュマ=エルメス氏が飛行機内で、たまたま女優で歌手のジェーン・バーキン氏と隣り合わせになりました。整理整頓が苦手なジェーンはいつもバッグに無造作に物を詰め込んでいて、このときも持っていたのは中身がこぼれ落ちそうなほどぱんぱんに詰まった、年季の入ったバッグ。
これに驚いたエルメスが「その中身が全部すっぽり入るバッグを作りましょう」と提案しました。
そして1984年、エルメスのバッグ「オタクロア(Hauta Courroies)」を改良し、生まれたのがバーキンです。
ジェーンはこのバーキンがとても気に入り、どこに行くにも持ち歩きました。
現在、バーキンは原型のオタクロアを凌ぐほどの人気を誇り、世界中の女性に愛されるバッグになりました。