革靴ブランド事典Leather Shoes Brand
ジェイエムウエストン/J.M. WESTON(フランス)
フランスの名門、ジェイエムウエストン
ジェイエムウエストン(J.M. WESTON)はフランスの老舗シューズメーカー。特徴は、素材、作り、履き心地のすべてを徹底的に追求していることです。丸みを帯びたそのフォルムは、ひと目でジェイエムウエストンとわかるほど個性的です。
「10年履ける靴作り」とは、創業時から変わらないジェイエムウエストンの信条です。
フレンチトラッドの代表として、ジェイエムウエストンは今も多くの人から愛されています。
ジェイエムウエストンだけのタンナー工場
タンナーという言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
革に詳しい方であればご存知かと思いますが、これは職業の名前です。では具体的にどんな仕事をしているかというと、原材料の「皮」を加工して、「革」にする仕事をしています。
ジェイエムウエストンはタンナー工場を自社で所有しています。世界中の靴メーカーの中で、自社でタンナーを抱えているのはジェイエムウエストンとレッド・ウィング(RED WING)の2社くらいです。これは非常にレアなケースだと言えます。
レッド・ウィングは主にアッパー(靴の甲に用いる革)を生産していますが、ジェイエムウエストンはソール、アッパー共に、自社で生産しています。
つまり、それだけ靴に特化したレザーの研究・開発に力を注ぐことができるというわけです。
ジェイエムウエストンの自慢はサイズ&ウィズ展開
ジェイエムウエストンは靴を履く人を想定し、フィッティングにも力を入れています。
サイズは4ミリメートルピッチで揃え、ウィズ(「ワイド」や「スリム」といった足囲)も数段階、ジェイエムウエストン人気の「ローファー」に関しては6段階も揃えています。
これは他社ではありえないサイズ&ウィズ展開でしょう。様々なバリエーションを可能にしているのは、ジェイエムウエストンが独自に考案したフィッティング理論です。こうしたサイズの豊富さも、ジェイエムウエストンが世界で親しまれる要因になっているのでしょう。
ジェイエムウエストンが求めたミッシェル・ペリーの役割
ジェイエムウエストンは100年を超える歴史を持ったブランドです。今でも150以上の工程を、熟練した職人が手作業で行っています。それだけ長い歴史があると肩書きに甘んじたくなりそうなものですが、ジェイエムウエストンは時代に新しい風を送り続けています。
ジェイエムウエストンは、2001年、新たなデザイナーとしてミッシェル・ペリーを招きました。彼はシューズのコレクションデザイナーとして20年以上の経歴を持っています。自身の名前を冠したブランド「ミッシェルペリー(MICHEL PERRY)」は、女性らしいカラフルなデザインのレディースシューズを世に出してきました。
これまでに培ってきた伝統を大切にしながらも、ファッションとしてモダンなテイストをプラスしていくということが、ジェイエムウエストンがミッシェル・ペリーに求めた最大の役割でした。
ジェイエムウエストンの歴史
1891年、エドゥアール・ブランシャール氏がフランス・パリ近郊のリモージュにブランシャール社を創業したのが、シューズメーカー「ジェイエムウエストン」の歴史の始まり。
当初は機械での大量生産を行っていたが、留学の際にグッドイヤー・ウェルト製法を研究していた息子・ユージェーヌ氏の帰国後、機械と職人の仕事を組み合わせた生産ラインを考案。これがジェイエムウエストンの礎になる。
1922年、パリに直営の1号店をオープンし、「ジェイエムウエストン」に改名。その10年後、現在のジェイエムウエストン本店であるシャンゼリゼ通り店をオープン。
2001年、著名な靴デザイナー、ミッシェル・ペリーを招き、伝統とモダンを組み合わせたデザインをラインナップに加える。
画像引用元:http://www.jmweston.com/