革靴ブランド事典Leather Shoes Brand
バリント/BALINT(オーストリア)
快適な履き心地を重視したシューズメーカー、バリント
バリント(BALINT)は、オーストリアのウィーンにあるシューズメーカーです。健康的な靴作りを目指し、履き心地の良い快適な靴をオーダーメイドで製作しています。ウィーンの工房では採寸及びラストの製作を行い、他の作業をルーマニアのトランシルバニアで行うという生産スタイルです。日本人向け既製靴の生産も行っています。
バリントが目指したのは足に優しい靴作り
バリントは、製靴過程にハンドソーンウェルテッド製法を用いています。「ハンドソーン」とは、一から十まで職人が手作りで行う製法です。
イギリスやアメリカの一般的な高級靴(ビスポークシューズ専門店などで作られる靴)の多くはグッドイヤーウェルト製法という方法で作られますが、この製法は、ハンドソーンウェルテッド製法がもとになっています。
つまり、ハンドソーンウェルテッド製法とグッドイヤーウェルト製法の作業手順に、大きな違いというものはありません。
唯一区別できる点が、ハンドソーンウェルテッド製法は手作業で行われ、グッドイヤーウェルト製法は作業工程を機械化しているということです。
バリントは創業当時から、少数の顧客を相手に、ハンドソーンウェルテッド製法を続けてきました。
創業者であるラヨス・バリント氏は手作りにこだわり、整形外科医学に重きを置いて、より快適な靴作りを追求していました。
快適な履き心地を実現する上で欠かせないのがラスト(木型)の存在です。足の形は人によって様々なので、オーダーメイドなら尚更、ラストの存在は重要視されます。
ラヨス・バリント氏は、注文してくれたお客様に最適なラストを提供するため、手による採寸だけでなく、コンピューターを使用した、より正確な方法も取り入れました。
バリントの靴は東欧らしい丸みが特徴
バリントの靴を見てみると、トゥの丸みが目を引きます。これは靴を履いたとき、つま先部分にゆとりを生ませるための仕掛けです。
もちろんデザイン的な意図もあると思いますが、それ以前に、履き心地を優先した結果のフォルムと言えます。
一般的な高級靴とは一線を画すデザインですが、バリントが作る靴の快適な履き心地は、非常に高いレベルであることは間違いありません。
バリントの歴史
1985年、オーストリアのウィーンで設立されたのが、シューズメーカー「バリント」。創業者はルーマニアからウィーンに渡ったラヨス・バリント氏。
2010年のラヨス氏の死から現在まで、息子のベラ・バリント氏がブランドの看板を守っている。
画像引用元:http://www.balint.at/