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今想う事

2011.02.17|その他の話

 こんにちは、とても気が立っている たなかです。

 基本的に一年を通してのことではあるのだが、なぜかある程度決まった期間に同じような質問が重なることがある。
 ひとつは就職が決まらず焦りきった学生さんからの就職相談。
 もうひとつは進路決定を間近に控えた高校生を持つ親御さんやご兄弟からである。
 なぜか最近そんなことが多かった(まぁ季節がらと言ってしまえばそれまでだが)。

 簡単に言ってしまえば
 「職人になるのって難しいですか?」
 そんな内容である。

 私の答えは毎度決まっている。
 「プロフェッショナルになるのは簡単ですよ。」

 お客様から代金を頂けば、それでもうプロフェショナルである。
 難しいのはプロフェッショナルであり続ける事、だと思う。

 例えば、Spicaには当然ながら正社員もアルバイトもいるし、社長もマネージャーもアルバイトも関係なく接客に出る。
 でも、お客様からしてみたら正社員もアルバイトも関係なく「店員さん」もしくは「職人さん」だろう。
 したがって、ある程度のレベルにおいては「あの人は信頼できるけど、あの人には当たりたくない」なんて思われないような一定以上の実力が不可欠である。
 つまり、アルバイトでも「プロフェッショナル」だろう。

 さて、先ほど私は「職人」という言葉に対して「プロフェッショナル」という言葉で返した。
 以前にも言ったことがあるが、私は「職人」ではなく「サービスマン」である。
 「お客様の満足」を得るために「靴修理」という「サービス」を提供しているだけである。
 ※個人的には「満足」だけでなく「驚き」や「それ以上の何か」を感じて頂きたいと思っているし、それが好きでやっているのだが…。

 ここで言い方を変えれば「職人になるのは簡単」である。
 ただし、職人になったからと言ってそれでご飯が食べられるかと言ったらまったく別の話だと思う。
 一人前にご飯が食べれるようになるためには「お客様の満足」というのが不可欠だが、満足を得るために重要なのは「職人の技術」のみではなく「サービスマンとしてのホスピタリティ」や「言葉使い」、「コミュニケーション能力」だという時代になったと考える。
 繰り返すが、代金を頂戴している以上は「技術はあって当たり前」なのだ。

 

 少しだけ私自身の話をする。
 専門学校を卒業すると同時にフリーランスで仕事を始めた。
 多少のお客様はいたものの、それだけで生活出来るほどではないからメーカーからの取り仕事もしていた。
 学生の頃は友人たちと毎日飲み歩いた(金はなかったが)が、それもできなくなった。
 というよりも、そんな時間がもったいなかった。
 毎日早朝から深夜まで、それこそ倒れるまで靴作りに費やした。
 卒業してから4~5年くらいはほとんど飲み会にも顔を出さなかった気がする。
 ちなみに、両親と酒を飲むようになったのはこの3年くらいのことで、それまでは元旦の母の誕生日くらいだった。
 親の前で酒が飲めるような身分ではなかったからである。

 話が逸れた。
 でもその期間を「苦労した」なんて思ったことはない。
 自分がそう信じたことをやっていただけのことだ。

 

 私が思うにプロフェッショナルの第一条件は
 「自分が信じたことを、愚直なまでに続けられること」
 だと思う。

 ちなみに「才能」という言葉もよく耳にするのだが、私はこの言葉が大嫌いだ。
 当人の努力や苦労を台無しにするような言葉だと思う。
 「才能」があるから成功するとは限らない。
 というよりも才能がある人間に限ってあぐらをかいて、磨かないと思う。
 私には才能はなかった。
 同じ課題や作業をやっても私だけ何度もやり直しをさせられ、「なんでこんな簡単なことが出来ないんだ」なんて怒鳴られたり、殴られたことは一度や二度ではない。
 おそらく木型という名の鈍器で殴られ叩き込まれた最後の世代だと思う。
 (今はどの業界でも若手に優しい、優しすぎると思う)
 才能溢れる友人や先輩たちを前にして、私は激しいコンプレックスを抱いて「なにくそ」と続けてきただけのことだ。

 NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」では「プロフェッショナルとは?」

 靴職人・山口千尋氏いわく
 「継続こそが才能、プロフェッショナルとは人に信頼してもらえる力を身につけた人のこと」

 ミシュラン3ッ星のフレンチシェフ・岸田周三氏いわく
 「高いモチベーションを持つこと、それを維持すること。 プロフェッショナルとは持続する情熱」

 鮨職人・小野二郎氏いわく
 「自分の仕事に没頭して更に上を目指すということ」

 サントリー・ウイスキーブレンダー・興水精一氏いわく
 「軸がぶれない人、自分の信じた目指すべきものをぶらさずに徹底的にこだわって、それを実現に向かって努力する人間」

 皆言うことは同じである。

 約束された成功なんてないし、成功が約束された努力なんてただの打算でしかない。
 「偶然伸ばした手が運良く何かを掴めるように、その時まで魂を込めて続けるのみ」だと信じてやってきただけである。

 これから社会に出る、もしくは学校に入学するひとたちへ。
 「本気でやらないと、時間なんていくらあっても足りないよ」
 私が贈ることが出来るのは、これくらいである。

 全くまとまっていない内容をダラダラと述べてしまいましたが、まぁ定期的ないつもの発作だと思って流してください。

 

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思うことは色々あるが、今日はこの辺で たなか

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