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八月に冬の靴の話をするのは、少し気が早いように聞こえるかもしれません。
ですが、オーダーで革靴を仕立てる場合、これはちょうど良い時期です。
オーダー靴は注文した翌週に届くものではありません。
足を測り、木型を用意し、革を裁ち、縫い、仕上げる。その工程にそれぞれ時間がかかります。
10月11月12月に、涼しくなった街を新しい一足で歩きたい。そう思うのであれば、逆算して動き始めるのが8月なのです。

この記事でわかること
  • 冬に履くなら「8月スタート」が最適な理由

  • 自分にぴったりのコースと納期の目安
  • 採寸時にプロへ伝えると失敗しない3つの準備
  • 初めてでも安心できるサービスとサポート体制

オーダー靴に時間がかかる理由

縫製の工程
既製の革靴は店頭で試着して、その日に持ち帰れます。オーダーはそうはいきません。
なぜ時間がかかるのか。工程を見ると理解しやすくなります。

  • 足を測り、形の特徴と左右差を把握する
  • 木型を用意する(削って調整する場合は、その工程が加わります)
  • 革を選び、裁ち、縫い合わせる
  • 木型に沿って革を吊り込み、形を作る
  • ソールを取り付け、コバを整える
  • 色を入れ、磨き、仕上げる

このうち、革を木型に沿わせて形を落ち着かせる工程には待つ時間が必要です。急いで進めれば形が戻ってしまいます。
つまり、納期の多くは作業時間ではなく、革が落ち着くのを待つ時間です。ここは短縮できません。

コース別の納期と8月からの逆算

メモをとる男性
元麻布スピカではご予算や求める履き心地に応じて3つのコースをご用意しています。それぞれの納期の目安と、8月に着手した場合の見通しを整理します。

コース 納期の目安 8月着手なら
セミオーダーシューズ 3ヶ月〜 秋のうちに履き始められる見込み
プレミアムラストオーダーシューズ 6ヶ月〜 冬に間に合う見込み
ビスポーク(フルオーダー) 1年〜 翌年の春夏に向けた一足という考え方

※上記は目安です。混み具合、仕様、革の手配状況によって前後します。正確な見通しはご相談時にお伝えします。

年内までに履きたいなら、現実的な選択はセミオーダー

セミオーダーシューズはモデル・革・ソール・ライニングの組み合わせが650通り以上あり、そこからお選びいただく方式です。価格は6万円台から。
木型を一から作るわけではないぶん、納期が短く抑えられます

初めてオーダーを試される方にも、今年までに間に合わせたい方にも現実的な選択です。

じっくり作るなら、時期に縛られない考え方も

一方、ビスポークは1年以上かかります。8月に着手して、納品は翌年。
これを遅いと考えるか、そういうものだと考えるかはその一足に何を求めるかによります。

長く履く前提の一足であれば、数か月の差は大した問題ではないかもしれません。


コースごとの違いと価格の内訳については、こちらの記事で詳しく整理しています。

あわせて読みたい
工房の作業台に並ぶ革靴と木型
革靴オーダーメイド完全ガイド|ビスポーク・セミオーダーの違いと、後悔しない選び方を職人が解説

「いつかは、自分の足に合った革靴をオーダーで作ってみたい」 そう思ったことのある方は、決して少数派ではありません。けれど一歩踏み込もうとすると、ビスポーク、フルオーダー、パターンオーダー、セミオーダー──聞き慣れない言葉が並び、何から考えればいいのか分からなくなる方が多いのではないでしょうか。

初回は、来店をおすすめしている理由

工房での採寸風景
元麻布スピカでは初回のオーダーの際、ご負担のない範囲でご来店をおすすめしています。
理由は二つあります。

理由①|求める履き心地を、言葉で伺いたい

同じ「ぴったり」という言葉が、人によって違う感覚を指します。
しっかり包まれている状態を好む方と、少し余裕がある状態を好む方がいます。

数値だけではその差が拾えません。
これまで履かれてきた中で感じた靴の不満、痛くなる場面、履く時間の長さ。
そういったことを伺いながら測ることで、はじめて寸法が意味を持ちます。

理由②|工房を見ていただきたい

元麻布スピカは計測から仕上げ、そして修理・メンテナンスまでを同じ場所で行っています。
靴を作る現場と、直す現場が同居しています。

これから何年も付き合う一足を頼む相手として、どういう場所で誰が作っているのかをご覧いただくのは、とても大切なことと思っています。

2回目以降は、簡便になります

計測結果は工房で大切に保管します。ですので、2回目以降はお電話やWebから気軽にご依頼いただけます
一度測っておけば、以降はご来店の必要がない。ここは、初回にお時間をいただく理由でもあります。


▶ アクセス(麻布十番駅から徒歩6分/六本木駅から徒歩9分):https://www.spica-inc.jp/access/

当日の流れと、採寸にかける時間

足の計測と、革サンプルを見比べる場面
初めての方が不安に感じるのは何をされるのか分からないという点だと思います。おおまかな流れをお伝えします。

  1. お話を伺う:どんな場面で履くか、今の靴の不満、ご予算など
  2. 足を測る:足長・足囲・形の特徴・左右差。立った状態と座った状態の両方で
  3. 仕様を決める:モデル、革、ソール、ライニング。実際の革を手に取りながら
  4. ご注文:納期と価格をご確認いただき、ご注文

なぜ採寸に時間をかけるのか?

足は荷重がかかると形が変わります。
座って測った寸法と、立って測った寸法は違います。片足に体重を乗せたときにも、また変わります。

さらに、左右の足がぴったり同じという方はほとんどいらっしゃいません
両足を別々に測らなければ、片方には合わない靴になってしまいます。
土踏まずの位置、甲の高さ、かかとの幅。こうした形の情報まで含めて把握するには、それなりの時間が必要になります。

職人の知恵袋💡

採寸で伺うことのうち、寸法よりも大事なのは「今の靴のどこが不満か」です。数値は測れば分かりますが、その方が何を我慢してきたかは、伺わないと分かりません。

8月のうちに決めておくと、迷わなくなる3つのこと

カレンダーと作業台
ご来店の前に、これだけ考えておいていただくと、その場での判断がぐっと楽になります。

①どんな場面で履くか

日々の仕事で履くか?人と会う特別な日だけか?オフの日が中心か?用途が決まると、デザインもソールも絞られます。
逆に、これが決まっていないと選択肢の多さに迷うことになります。

②今履いている靴の、不満を言葉にしておく

夕方になると小指が痛い。かかとが浮く。重くて疲れる。雨の日に滑る。
こうした不満はそのまま仕様への要望になります。思い出せる範囲でメモしておいてください。

③今よく履いている靴を、持ってくる

これがいちばん役に立ちます。
よく履いている靴の減り方にはその方の歩き方が残っています。
ソールの減り方、甲のシワの入り方、内側の擦れ方。これらを見せていただくと、寸法だけでは分からない情報が読み取れることがあります。

まだ迷っている段階でできること

革のサンプル帳
ここまで読んで、まだ決めきれないという方もいらっしゃると思います。それは自然なことです。

ご相談だけでも構いません

ご来店いただいて、足のお悩みご相談を受けることもできます。オーダーをご検討でなくても構いません。
ご自身の足長・足囲・左右差を知っておくと、既製靴を選ぶときの精度が上がります。それだけでも、意味のある時間になるはずです。

誰かに贈る、という形もあります

ご自身のためではなく、贈り物としてお考えの場合はオーダー体験のギフトチケットという方法もあります。受け取った方がご注文されることは勿論、遠方の方でもご自身の足で測り、革を選んで仕立てられる仕組み(郵送サービス)もございます。
冬以降の記念日や、年末のご挨拶に向けて、選択肢として知っておいていただければと思います。

▸ 元麻布スピカのオーダーについて

元麻布スピカはフィット感を左右する採寸などの製作プロセスはもちろん、価格や修理・メンテナンスといったサービスまで含めた「履きやすさ」を追求しています。
お仕立てした靴は靴磨きなどの簡易メンテナンスをいつでも無料で、修理は15%オフの価格で承っています。サイズに問題があった場合は調整も行います。
作って終わりにしないという前提が、価格の考え方にも含まれています。


▶ 元麻布スピカの「履きやすさ」:https://www.spica-inc.jp/shop/
▶ オーダー体験ギフトチケット:https://www.spica-inc.jp/service/gift/
▶ 会社概要https://www.spica-inc.jp/company/

よくあるご質問

Q. 採寸には、どれくらい時間がかかりますか

A. お話を伺う時間を含めて、余裕をもってお越しいただくのが安心です。足を測るだけでなく、履く場面や今の靴の不満を伺うため、その分の時間をいただいています。

Q. 途中で仕様を変更できますか

A. 工程の進み具合によります。革の裁断に入る前であれば対応できる場合が多く、それ以降は難しくなります。決めきれない点があれば、注文前にご相談ください。

Q. 納期が遅れることはありますか

A. 革の手配状況や混み具合によって前後する場合があります。目安をお伝えしたうえで、進行に変更があればご連絡します。

Q. 年内に間に合わせたいのですが、どのコースが現実的ですか

A. 納期の観点ではセミオーダーシューズがもっとも現実的です。プレミアムラストオーダーは春ごろ、ビスポークは翌年という見通しになります。

Q. 仕上がってから、サイズが合わなかったらどうなりますか

A. お仕立てした靴でサイズに問題があった場合は、サイズ調整を承っています。納品後のフィッティングも含めてお付き合いさせていただく前提です。

まとめ|年内の革靴は8月のオーダーから始まる

年内までに新しい革靴を履くためには革を馴染ませる時間などを逆算し、8月からの動き出しが理想的です。納期約3ヶ月〜のセミオーダーなら年内までに間に合いやすく、初回の丁寧な採寸とカルテ保管により2回目以降は手軽に注文できます。

この記事のポイント

  • 納期の多くは革が落ち着くのを待つ時間。短縮できない
  • 年内までに履きたいなら、セミオーダーが現実的(約3か月)
  • ビスポークは1年以上。翌春夏に向けた一足という考え方
  • 初回は来店推奨。計測結果は保管し、2回目以降は電話やWebで
  • 用途・今の靴の不満・よく履く靴の持参の3つで、判断が楽になる

涼しくなった街を、新しい一足で歩くために。