Spica magazine

使うほどに愛着が湧いてくる天然皮革。
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修理だけではない、Spicaの魅力。クリーニングや染め直しでできること。

#使い続ける

修理だけではない、Spicaの魅力。クリーニングや染め直しでできること。

2021/10/28

「修理工房」というと、どうしても「愛用品が壊れてしまったときに利用する場所」というイメージを持たれがちです。でも、修理工房の役割はそれだけではありません。たとえ修理が目的ではなくとも、もっと気軽に利用していただきたいとSpicaは考えています。では、なんのために利用するのか。Spicaでは次のサービスも提供しています。

 

1)クリーニング

2)染め直し

 

これらのサービスはいわば「修理」ではなく「メンテナンス」。愛用品を長く、心地よく使っていくために必要なものです。

 

他店ではなかなか見ない、染み抜き機を完備。あらゆる汚れに対応する。

 

 

Spicaでのクリーニングの流れは以下の通りです。

 

①ブラシで靴、バッグの外側についた汚れやほこりを落とす。

②革専用のクリーナーで革に染み込んだ汚れを落とす。

③エアーコンプレッサーで、内側に溜まったほこりを掻き出す。

④バッグなら内袋の素材に合わせてクリーニングする。汚れがひどい時には、素材によって染み抜き機を使ってクリーニングする。

⑤オゾンボックスで乾燥、除菌する

⑥革専用のクリームを全体に塗って、革に栄養と艶を与える。

⑦ブラッシングでクリームを全体に馴染ませて完成。

 

この流れの中でも特にこだわっているのが「素材に合わせて汚れを落とす技術」。Spicaでは洋服のクリーニング店で使われる「染み抜き機」を用意していますが、靴やバッグの修理工房でこれを備えているところはそう多くありません。

 

 

洋服とは異なり、靴やバッグは布と革がコンビネーションになっていることも多く、構造上、どうしてもクリーニングできないものも存在します。しかし、さまざまな溶剤やスチーム、超音波などを駆使し、少しでも多くの汚れに対応できるよう準備しています。この技術の幅は、他店と比べると圧倒的だと自負しています。

 

革の風合いを残しつつ、見た目を美しく。Spicaの染め直しは職人技が光る。

 

 

次に染め直しについて。まずはその流れを解説します。

 

①ブラシで外側についた汚れやほこりを落とす。

②革専用のクリーナーで革に染み込んだ汚れを落とす

③エアーコンプレッサーで、内側に溜まったほこりを掻き出す

④バッグなら内袋の素材に合わせてクリーニングする。汚れがひどい時には、素材によって染み抜き機を使ってクリーニングする。

⑤オゾンボックスで乾燥&除菌をする。

⑥顔料を使って革を染める。

⑦革専用のクリームで革に栄養と艶を与える。

⑧ブラッシングでクリームを全体に馴染ませて完成。

 

染め直しでのこだわりは、「革の風合いを損なわず、見た目もきれいに仕上げる技術」です。革の風合いを残すことにフォーカスしすぎると、染みが残ったままになってしまいます。一方で、見た目をきれいにすることにフォーカスすれば、顔料がベッタリした仕上がりになってしまうのです。革の風合いと見た目、その絶妙なバランスを保つことが非常に重要で、Spicaはそこを常に意識しています。

 

 

その実現のために、染め直しの際にはエアブラシを使いません。代わりに使用するのは、刷毛です。刷毛を用いるとどうしても作業効率が落ちてしまいますし、場合によっては筆足が残るリスクもあります。そのため、エアブラシを使って染め直しを行う修理工房が多いのですが、仕上がりを見ると、やはり刷毛のほうが上。手間と時間はかかってしまいますが、職人がその目でしっかり確認しながら慎重に色を入れていくことができるので、革の風合いを残しつつ、見た目もきれいに仕上げることができるのです。

 

また時折、「バッグを別の色に染めてほしい」というお問い合わせをいただきますが、Spicaではお断りしています。完全に色合いを変えるためには、どうしても顔料をベッタリ塗る必要があり、そうすると革の風合いが失われてしまうからです。それでは、せっかくの革の良さが半減してしまいます。そのような依頼をSpicaでは請けることができません。このことからも、Spicaがいかに革の風合いを大切にしているのかがご理解いただけるのではないでしょうか。

 

ここでSpicaのメンテナンスを利用してくださったお客さまからの声を紹介します。

 

「社会人になって初めて買ったバッグ、しばらく押し入れにしまっていたら、カビが生えてしまっていました。自分で革用クリーナーを用いて拭いたりしましたが、水玉模様に跡が残ってしまい落ち込んでいましたが、思い切ってSpicaさんにお願いして良かったです。新品のようなツヤが戻り、また使えるようになりました。遠方からのお願いでしたが、メールのやり取りなど大変良くしていただきました。お任せしている間も不安もなく、1カ月ほどで手元に戻りました。本当にありがとうございます。メンテナンスを終えた際、保管のアドバイスもあり、一つひとつの作業に対する心が感じられました。また何かあったらお願い致します」

 

このように喜んでいただけることが、なによりも職人たちのモチベーションにつながっています。

 

 

取材・文 五十嵐 大

profile:ライター、エッセイスト。1983年、宮城県生まれ。2020年10月、『しくじり家族』(CCCメディアハウス)でデビュー。他の著書に『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』(幻冬社)がある。

twitter:@igarashidai0729

 

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