投稿日:2026.05.26 最終更新日:2026.05.26
父の日に革靴を贈る前に。サイズが分からなくても失敗しない、スピカからの提案

「父の日に、革靴を贈ろうと思っているのですが──。サイズが分からなくて。。」
店舗に届くお問い合わせの中で、5月から6月にかけて、いちばん多いご相談です。
お父様にきちんとした一足を贈りたい。けれど、何センチを履いているかなんて、改まって聞ける関係でもない。
靴箱を覗くにも、勝手に開けるのは気が引ける──。
そんな宙ぶらりんの気持ちのまま、ギフトを諦めてしまう方も少なくないのではないでしょうか。
結論からお伝えします。お父様のサイズが分からなくても、父の日に革靴を贈る方法はあります。むしろ、サイズの分からないご家族からのご注文こそ、私たちスピカが、もっとも大切に向き合ってきたご相談かもしれません。
本記事では、現役の革靴職人の視点から、父の日に贈る革靴の選び方を、サイズ問題への対処法を中心にお伝えします。
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父の日に革靴ギフトが選ばれている、本当の理由
- 革靴のサイズが「cm表記だけでは決まらない」3つの要素
- お父様のサイズが分からないときの、3つの選択肢
- 60代・70代の父に似合う革靴の型と色
- 父の日6月第3日曜に間に合わせるための逆算スケジュール
父の日のプレゼント、なぜ「革靴」が選ばれているのか

ここ数年、父の日のギフトとして「革靴」を選ばれる方が、目に見えて増えています。
ネクタイやお酒、財布といった定番のプレゼントとは少し違う角度から、革靴という選択肢が浮上してきている。その背景には、贈る側の価値観の変化があるように、私たちは感じています。
60代以降の父に「革靴」が刺さる、3つの理由
▸ 理由①|既製靴のサイズが、合わなくなってくる年代だから
人間の足は、年齢とともに少しずつ変わります。アーチが下がり、横幅が広がり、左右の差も顕著になってくる。20代の頃に履けていたサイズが、60代では合わなくなっていることが珍しくありません。
お父様が「最近、革靴が痛くて」と漏らしているなら──それは靴選びがうまくいっていない、というサインです。
▸ 理由②|「自分のためには買わない」世代だから
ご相談に来られる息子さまや娘さまから、こんな言葉をよく伺います。
これは多くのご家庭に共通する、お父様の姿ではないでしょうか。
自分には倹約を選び、家族のためなら惜しまない世代に、本物の一足を贈ること。それは、長年の労を労う、もっとも実用的な感謝の伝え方かもしれません。
▸ 理由③|「使う日々」が、贈り物の価値を増やしていくから
食べ物は、食べたら終わります。お酒も、飲み終えれば残りません。けれど革靴は、贈った日から先、何年も日常で使われ続けます。
月曜の出勤、孫との散歩、結婚式への出席──父の日に贈った一足が、これからのお父様の毎日に静かに寄り添っていく。
「贈った瞬間の喜び」よりも「使っていただく時間の長さ」を選ぶ方が、年々増えてきていると実感します。
「実用品を贈る」ことが、感謝の表現として優れている理由
贈り物には、大きく二種類があります。
「特別な日のための、非日常のもの」と、「毎日に寄り添う、日常のもの」です。
革靴は明らかに後者です。
そして、毎日使われるものを贈るというのは、相手の人生の中に自分の選んだものが「居場所を持つ」ということでもあります。
お父様が出かける朝、玄関で履かれる一足。それが、あなたが贈ったものであるという事実は──きっと、お父様にもあなた自身にも、長く効いていく感謝の形になるはずです。
革靴ギフトの最大の壁「サイズ問題」を分解する

革靴を贈る際に、ほぼすべての方がぶつかる壁があります。サイズが分からない、という問題です。
この問題、実は単に「何センチか分からない」ということだけではありません。
革靴のサイズという概念そのものが、思っている以上に複雑なのです。
cm表記だけでは決まらない、革靴サイズの3要素
革靴のサイズは、以下の3つの要素で決まります。
- 足長(そくちょう):かかとからつま先までの長さ。25.0cmなどの数字で表される、いちばん馴染みのある指標です。
- 足囲(そくい)/ワイズ:足の親指の付け根と小指の付け根を、ぐるりと一周測った長さ。D、E、EE(2E)、EEE(3E)などの記号で表されます。
- ラスト(木型)の形:靴メーカーごとに異なる足型。同じ25.0cmでも、ブランドや木型によって履き心地は別物です。
つまり、たとえ「父は25.5cm」と分かっていても、それだけでは靴は決まらないのです。
既製靴を量販店で買って「キツい」「ゆるい」と感じる経験をされた方は多いはずです。それは、足長は合っていてもワイズや木型が合っていないから。
職人の知恵袋💡
革靴のサイズ選びは、洋服のSML以上に繊細です。
Sサイズの服でも着られないことはないけれど、合わない革靴は数時間で苦痛を伴います。
お父様の靴箱に、こっそり聞く方法
もしご実家に行く機会があり、お父様の靴箱を覗ける状況であれば、以下を確認してみてください。
- 普段よく履かれている革靴のサイズ表記(多くは靴の中、ベロの裏側に記載)
- そのブランド名(例:リーガル、スコッチグレイン、オールデンなど)
- 革靴の形(つま先がスッと細いか、丸みがあるか)
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革靴の使われ方(毎日履いている、たまに履いている、しまったまま)
これらの情報があれば、私たちのような工房での靴選びが格段に正確になります。
「リーガルの25.5cm、つま先は丸め、毎日履いている」と言っていただければ、お父様の足の傾向はかなり絞り込めます。
それでも分からないとき、3つの選択肢があります
▸ 選択肢①|お父様ご自身に来店していただく前提のギフト(ギフトチケット)
これが、私たちがもっとも自信を持っておすすめする方法です。後ほど詳しくご説明します。
▸ 選択肢②|サイズ展開が広いセミオーダーで、ある程度の幅を見込んで選ぶ
0.5cm刻み、ワイズも複数選べるセミオーダーであれば、おおまかなサイズ感さえ分かれば対応できます。納品後の調整も可能です。
▸ 選択肢③|既製品ギフトカードや商品券で、本人にお選びいただく
もっともシンプルな解決策ですが、「自分のためには良い靴を買わない」お父様の場合、結局使われずに終わるリスクもあります。
私たちの工房に来られる方の多くは、選択肢①を選ばれます。理由は、これが「贈る側の負担」と「受け取る側の喜び」の両方を満たす、もっとも自然な形だからです。
スピカからのご提案①|体験ごと贈る「ギフトチケット」

私たち元麻布スピカでは、革靴のギフトチケットをご用意しています。
これは単なる「金券」ではありません。お父様が後日、ご自身で麻布の工房までお越しいただき、職人が直接採寸し、お父様の足にいちばん合う一足をお仕立てするための「体験のチケット」です。
チケットを渡したあと、お父様が工房に来てくださった日のこと
少し、私たちの工房で実際にあった話をさせてください。
ある年の父の日、東京で働いている息子さまから、地方にお住まいのお父様にギフトチケットをお送りいただきました。お父様が東京に出てこられる機会に合わせて、半年ほど寝かせたチケットでした。
秋になり、お父様が初めて麻布の工房に来てくださった日のことを、今でもよく覚えています。
そう静かに切り出されたお父様に、私たちは1時間以上かけて足を採寸し、これまでお履きになってきた靴の癖を聞き、お仕事のシーンや散歩の頻度まで伺いました。
その日、お父様は終始、少し照れくさそうな笑顔で工房をご覧になっていました。「息子が靴をプレゼントしてくれるなんてね…」と。
半年後、完成した一足を取りに来てくださったお父様はその場で履いたあと、こうおっしゃいました。
ギフトチケットは、靴という「モノ」を贈る仕組みではありません。
靴を仕立てる「時間」と、麻布の工房という「場所」と、職人と話す「対話」を、まるごと贈るための仕組みです。
贈り物としての革靴の本質は、もしかするとここにあるのかもしれない、と私たちは考えています。
ギフトチケットで作れる、3つのオーダーコース
チケットは、お父様がお選びになるコースに応じて柔軟に対応します。
▸ セミオーダーシューズコース
元麻布スピカのセミオーダーシューズは、ハイブランドに匹敵するクオリティを備えながら、価格は約半分。モデル・レザー・ソール・ライニングを650通り以上のバリエーションから、ご自由にお選びいただけます。
関連ページ:『セミオーダーシューズ』
▸ プレミアムラストオーダーシューズコース
靴づくりの最終工程を熟練した職人の手作業で仕上げ、フィッティングに影響を与えない工程のみを厳選して機械化することで、クラフトマンシップの技と現代的な効率性を巧みに融合。まるでビスポーク(フルオーダーシューズ)に迫る高品質ながら、納期と価格を抑えました。
関連ページ:『プレミアムラストオーダーシューズ』
▸ ビスポーク(フルオーダーシューズ)コース
「Be Spoke」の語源通り、お客様と職人が語り合いながらつくり上げる、究極のオーダーシューズ。お客様の想いと職人の技がひとつとなり、世界に1足だけの至高の靴が誕生します。時とともに表情を変え、履くほどに足に馴染み、やがて優雅な気品を備えた靴へと成熟していきます。
関連ページ:『ビスポーク(フルオーダーシューズ)』
関連ページ:『ギフトチケットについて』『オーダーシューズについて -3つのオーダーコース-』
スピカからのご提案②|60代の父に似合う、定番の3型

ギフトチケットではなく、革靴そのものを贈りたい方のために、60代以降のお父様に長く愛用されている3つの型をご紹介します。
選び方の軸は「色」より「型」
革靴選びでは、つい色から選びがちです。しかし、お父様の年代の方への贈り物の場合、色よりも先に「型」で選ばれることをおすすめします。
型は、その靴がどんな場面で活躍するかを決定づけます。色は、それさえ間違えなければ、合わせやすい範囲で選べます。
おすすめの3型
▸ 型①|ストレートチップ(内羽根)
つま先に一本の横ラインが入った、もっとも格式高い革靴です。冠婚葬祭にも使えるため、一足あれば心強い。
「お父様、最近、礼服を着る機会が増えていない?」と感じる方なら、まずこの型から。色は黒が王道、ただし普段使いも視野に入れるならダークブラウンも。
▸ 型②|プレーントゥ
つま先に装飾がない、もっともシンプルな革靴。ビジネスでも、休日のスラックスにも合わせられる、汎用性の高い一足です。
毎日のお仕事に履いていただきたいなら、この型。色はダークブラウンを推奨。経年変化も愉しめます。
▸ 型③|ローファー(タッセル/コインローファー)
紐のないスリッポンタイプ。脱ぎ履きが楽で、退職後のカジュアルなお父様に喜ばれます。
「もうスーツを着る機会も減ったな」と感じるお父様には、この型。色は明るめのブラウンや、バーガンディも上品です。
履き心地で選ぶなら、「軽い革靴」という選択肢もあります
60代以降のお父様には、「軽さ」も重要な要素です。革底(レザーソール)は格式高い反面、重さがあります。 営業や外回りで1日中歩いていると、夕方には足がずっしり重く感じる。スニーカーの時より疲れがたまりやすい。そんな経験はありませんか?
革靴はスニーカーより片足で200g程度重いとされていて、両足換算で“500mlの水ペットボトル1本分の重さ”が足にかかっているのです。
だからといって、仕事上、革靴
毎日履いていただきたい場合は、ラバーソール仕様や軽量なソール構造を選ぶと、足の負担が大幅に減ります。
既製品でも軽量タイプはありますが、本当にお父様の足に合わせて作るなら、オーダーで「軽さ」をリクエストできるのが理想です。
革靴の軽さについては、こちらの記事もあわせてどうぞ。
“重い革靴”はもう古い⁉︎おしゃれとマナーを両立する「軽い革靴」の選び方!
父の日に間に合わせる、ご注文〜お渡しまでの流れ

父の日は、毎年6月の第3日曜日。2026年は6月21日(日)です。間に合わせるためのスケジュールを整理します。
ギフトチケットの場合(最短3日でお手元に)
- ご注文(オンライン or 工房):父の日の1週間前までに
- ギフトボックスへの梱包と発送:ご注文から2〜3営業日
- お父様のお手元へ:父の日当日に間に合います
チケットの有効期限はご相談に応じます。お父様のご都合に合わせて、ゆったりとお作りいただけます。
セミオーダーシューズを、父の日当日に贈る場合
セミオーダーは納期約3ヶ月です。父の日当日に靴そのものを渡したい場合、2月中旬までにご注文・採寸頂くことが理想的ではあります。
その為、今からでしたらギフトチケットが最適かと思われます。また、遠方で麻布までの来店が難しいという方にはフィッティングシューズを郵送してサイズを確認するという郵送でのオーダーサービスも行なっておりますのでこちらもご検討ください。
ビスポークの場合は、父の日に「予告」する贈り方も
ビスポークは納期1年〜1年半。父の日当日に間に合わせるのは現実的ではありません。
ですので、こんな贈り方もご提案しています。父の日には「これから一緒に靴を作りに行こう」というメッセージカードと、工房の予約日を記したものを渡す。それから一緒に工房に来ていただき、採寸する──というスタイルです。
贈り物が「モノ」から「時間」になる、ひとつの形です。
まとめ:サイズが分からないことは、引け目ではない
最後に、もう一度お伝えしたいことがあります。
「父のサイズが分からない」というのは、決して引け目ではありません。むしろ、それくらい控えめな距離感を保ってこられたご家族の関係性こそ、革靴という時間のかかる贈り物にふさわしいとも言えます。
贈り物は、渡した瞬間にゴールがあるわけではありません。お父様がそれを履いて出かける、これからの何百日もの「日常」が、本当の贈り物です。
この記事のポイント
- 革靴は「使い続ける時間の長さ」が贈り物の価値を増やす
- 革靴のサイズはcm・ワイズ・木型の3要素で決まる
- サイズが分からないなら、ギフトチケットが最適解
- 60代の父にはストレートチップ/プレーントゥ/ローファーの3型から
- 父の日6/21までに間に合わせるなら、ギフトチケットがおすすめ
お父様と、麻布十番の工房でお待ちしています。
革は生き物です。手間をかけた分だけ、応えてくれます。革靴を選ぶ時間も、贈る時間も、すべてはお父様の足元の、これからの何年かに、静かに残っていくはずです。