Spica magazine

使うほどに愛着が湧いてくる天然皮革。
さまざまな視点から革の魅力をお届けします。

使う人に寄り添ったお直しを。 Spicaの革小物修理【靴編】

#使い続ける

使う人に寄り添ったお直しを。 Spicaの革小物修理【靴編】

2021/11/09

Spicaの原点である靴の修理サービス。「ここまで壊れたら捨てるしかない」と思っていた靴さえも、Spicaにかかればお手のもの。驚きの再現度を誇るSpicaの修理事例、スタイリストでもある筆者が、今回は靴のお直しをご紹介します。

 

事例1:【クリーニング他】シャネルのスエードブーツを総お直し!

 

BEFORE / お直し前

 

 

たくさん履いた様子が見受けられるCHANEL(シャネル)のスエードブーツ。スエード素材の美しさは健在ながらも、革の汚れやくたびれた様子があり、このまま履き続けることは難しそうです。

 

 

つま先の擦れと黒ずみ。

スエードブーツは一度このような黒ずみがつくと、ホームケアではなかなか落ちません。

 

 

かかとやつま先も擦り減っています。ちなみにヒールの擦り減り方は、歩き方の癖も大きく影響しています。そのままお直しせずに履き続けると、靴が傷むのはもちろん、歩き方や姿勢の歪みを加速させるので、靴底の減り具合を定期的にチェックをしておくことをおすすめします。

 

 

さらに靴紐のタッセルが取れてしまっています。個人的にはこうした飾りが1つ取れたら、お直しを諦めて新たな靴の購入を検討するところ。果たして本当に蘇るのでしょうか……。

 

AFTER / お直し後

 

 

なんと、タッセルが蘇っています……! さらに修理前と比べると、全体的にスエードのくすみが取れ、確実にトーンアップしていますね。見違えるほどに若返りました。それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

 

 

深く黒ずんでいたつま先の表面がスッキリとキレイになっています。この汚れは場合によっては修理に出しても黒ずみが完全に消えない可能性も大いにあります。むしろそのケースが多いのですが……。

 

Spicaの技術によって深い黒ずみも、くたびれたような使用感も完全に消えました! 丁寧に使いこまれたような風合いが愛おしい仕上がりです。

 

 

かかと、つま先は使用頻度を考慮しラバーソールを使用。ソールはできるだけオリジナルの原型に合わせたいという気持ちもありますが、履く人にとって極力ストレスを感じない靴であることが何よりも大切です。

 

今後も長く使えるよう耐久性に優れたものに切り替えました。とはいえ、元の材質とよく馴染む色合いを選んでいるので、違和感を感じることもありません。

 

 

 

そして問題のタッセルです。写真左が元々のタッセル、写真右が新たに取り付けたタッセルです。当たり前ですが新品感はあります。しかし、違和感がないということが驚きのポイント。

 

「どこからスペアを入手したのですか?」と問いたくなるほど原型に馴染んでいます。タッセルはSpicaに似た色のスエード革があったようで、新しく作成したのだとか。正直、靴の修理で飾り部分のタッセルまで直してくれるところは他に見たことがありません。

 

もちろん今回は革素材が用意できたからという異例のケース。必ずしもどの靴でも同じように対応できるわけではありませんが、それでもどこまで直せるのか、実際に店舗で見てもらうだけの価値があることは間違いありません。

 

<修理内容・料金>

メニュー:クリーニング・ヒール交換・ハーフラバーソール・タッセル作成(1つ)

料金:税別 4,250円+1,800円+2,500円+2000円(合計10.550円)

納期:4週間

 

※修理料金はあくまで目安です。靴の状態によって料金の変動もございますので、まずはお問い合わせください。

 

事例2:【オールソール交換】チペワのブーツに遊び心を吹き込む

 

BEFORE / お直し前

 

 

こちらはアメリカの老舗ブーツメーカー、CHIPPEWA(チペワ)のワークブーツ。流行り廃りに左右されない永遠のモデルなので、ぜひ何年でも愛用し続けたいところ。

 

個人的な感想ですが、お直し前の擦れや汚れがワークブーツをより無骨に仕上げている感じがして、これもこれで悪くないと感じてしまいます。しかし、よく見ると……。

 

 

かかとがしっかりすり減っていますね。ソールの限界ギリギリまで削られています。普段使いしていると慣れるので気づきにくいかもしれませんが、久しぶりに履くと歩きづらさを感じることでしょう。

 

 

ソールの一部は靴底限界まで擦れているので、このままでは靴底本体が傷んでしまいます。

 

 

つま先もやや角が取れて丸みが出ています。少し滑りやすくなっているかもしれません。

 

 

ソールはビブラム社のクリスティーソール。クッション性が高く、長時間はいても疲れにくい素材ですが、こちらも摩擦によりグリップ力が少し弱くなっています。今回は、靴そのものの状態は良いのでオールソール交換で対応。こちらの靴本来の持つ、履きやすさを取り戻しました。

 

AFTER / お直し後

 

 

お客様のご希望でオリジナルモデルに沿ったソールではなく、同社が展開しているスカルソール(ブラック)に張り替えたとのこと。

 

 

ソール全面に骸骨の絵柄が散りばめられています! オーセンティックなソールから遊び心の効いたソールに。こちら、プリントではなくしっかりと突起になっているという質の高さ。思わず足跡見たさに振り返りそう。

 

 

ソールの側面が黒だとまた印象が大きく変わります。より男性的で無骨さが際立ちます。そのまま元どおりに直すこともできるなか、ソールを変えるという変化球のお直し。お客様の好みにより近づいた新しい靴として生まれ変わりました。

 

 

心なしかヒールが高くなっているような気がします。さりげなく身長を高く見せることも実現。分厚いソールがワークブーツらしさを表現していて、お客様も非常に満足いただいたようです。

 

<修理内容・料金>

メニュー:オールソール交換・靴磨き(クリーム仕上げ)

料金:13,800円+1,500円(計15,300円、税別)

納期:6週間

※修理料金はあくまで目安です。靴の状態によって料金の変動もございますので、まずはお問い合わせください。

 

馴染んだ靴が真新しく生まれ変わる

 

今回ご紹介した事例以外にもいくつか拝見したのですが、いずれも「この靴も直せるの!?」といった状態から匠の技で新しい命が吹き込まれていました。

 

シューズボックスのなかに眠っている、履いていない靴。「高価だったから」「思い出があるから」と捨てられない一足があるなら、ぜひ一度Spicaへ相談してみてください。真新しい気持ちでもう一度お気に入りの靴を履ける日がくるかもしれません。

 

 

取材・文 角 佑宇子

profile:スタイリスト・ライター。アパレル販売員の後、スタイリストアシスタントを経て独立。現在は女性向けWebメディアにて着こなしに関するコラムを配信。「より良いものをより良く活かす・身につける」をモットーに、世にある素敵なアイテムを日々、探求中。

Instagram: @sumi.1105

Spica*の革小物オーダーメイドアイテム

関連記事

RECOMMENDED

VIEW ALL

Spica*の
革小物オーダーメイドアイテム

アクセス

Spicaの外観
住所
〒106-0046 東京都港区元麻布3-10-8
TEL
03-6413-6656
FAX
03-6413-6656
営業時間
10:00~19:00
定休日
水曜日
最寄り駅
東京メトロ南北線/大江戸線「麻布十番」駅
メール

修理に関するお問い合わせはこちら

電話

TEL 03-6413-6656
受付時間 10:00~19:00

ページトップ
無料見積・ご相談・お問い合わせ TEL メール LINE