靴用語集Shoes Glossary
中物
中物(bottom filling /filler)とは、アッパー(甲革)をラスト(木型)に釣り込む際に生まれる凹面を埋めるために、インソール(中底)とアウトソール(本底)の間に入れるクッション材のことです。
アッパーを釣り込んだときにできる凹面をそのままにしておくと足当たりが悪くなるため、クッションの役割を果たす中物を入れます。中物の素材はスポンジやコルクなどです。
靴の製法によっては中物を入れないものもあります。ゴム底をつけるバルカナイズ製法では、袋状になったアッパーを金型に入れて未加硫のゴムを流し込んで底を形成・圧着するので、中物が存在しません。子供靴などに用いられるステッチダウン製法も、アッパーとアウトソールをシンプルに縫い付ける製法なので中物がないです。
中物には足当たりを良くするだけでなく、長く履くうちに靴を足に馴染みやすくする効果もあります。例えばグッドイヤーウェルト製法はインソール自体を厚くできないので、リブの厚みに合わせたコルクなどの中物を詰め込みます。