革靴の選び方How to choose

靴はシーンに応じて
選ぶのがマナー

仕事や就活、冠婚葬祭など、革靴を履く機会は意外と多いです。
ただ、革靴にはたくさんの種類があるため、どの靴を選べばいいか悩んでしまうケースもあるでしょう。
そんなときのために、革靴の代表的な種類やシーンに合わせた選び方をご紹介します。
革靴を購入する時や、いざ必要になった時に迷わないためにも、最低限のマナーと知識を身につけておきましょう。
既に知っている方は、知識やマナーのおさらいとしてお役立てください。

  1. 1.まずは革靴の種類を知る
  2. 2.シーン別の革靴の選び方
  3. 3.スーツ×革靴、ベルト×革靴コーディネートのコツ

革靴には種類がある

ストレートチップ

ストレートチップとは、つま先に横一文字の切り替えが入っている靴のことです。
別名「ストレート・トゥ・キャップ」とも呼ばれています。
履きシワがつきやすいのが革靴の特徴ですが、ストレートチップは一文字の切り替えよりも前のつま先にシワがつきにくいため、美観を保ちやすいです。

ダメージを受けやすいポイント

ビジネスシーンで使われることが多いストレートチップは、ヒールへのダメージを避けられません。
実際に、ヒールが擦れ過ぎて、後ろからの印象が悪くなってしまっているビジネスマンもたくさんいます。
ヒールの一番下についている部分が、上部の革まで削れてしまう前に修理をすれば、トップリフトの交換だけで済みます。
しかし、革の部分まで削れてしまった場合、失われた革の補修代金が別途発生してくるため、できるだけ早く修理を行うのがおすすめです。

>>「ヒールトップリフト交換」を確認する

ウイングチップ

鳥の翼のような見た目が特徴的なウイングチップ。
この靴は、つま先の切り替えがW字型で縫い付けられています。
つま先革の穴飾り(メダリオン)や、アッパー(甲革)に施される大小の穴飾り(パーフォレーション)を施すことが多いのも、ウイングチップならではの特徴です。

ダメージを受けやすいポイント

ウイングチップは、アッパーに装飾が施されているケースが多いです。
このようなことから、革を縫い合わせている糸がほつれてしまうことが良くあります。
小さいほつれだからといって放置していると、その周りもどんどんほつれていきますので、長持ちさせるためにもこまめにメンテナンスを行うことが大切です。

>>「縫い」を確認する

プレーントゥ

見た目がシンプルで、靴の作りの良し悪しが表れやすいプレーントゥ。
内羽根式か外羽根式かなどの違いがあります。
作りが非常にシンプルであり、様々な用途に使用できるため、実用性はかなり高いといえます。
他の靴とは違い、甲やつま先に装飾やステッチが施されていないことも、プレーントゥならではの特徴です。

ダメージを受けやすいポイント

プレーントゥは、ストレートチップと同じく様々なシーンで履ける利便性の高い靴ですが、ソールに穴が開きやすいという特徴があります。
定期的にソールの状態をチェックし、革が薄くなってきた段階でハーフラバーソールやハーフレザーソールで補強することによって、穴が大きくなったり、水が染み込んだりといったことを防げます。
しかし、ソールの穴を放置したり、削れ過ぎたりするとソール全体を新しいものに替える「オールソール交換」が必要になりますので注意してください。

>>「ハーフソール補強」を確認する

Uチップ・Vチップ

Uチップは、靴に厚みを出せる縫い方をするため、幅広の足や甲高の足にフィットしやすいです。
U字型のモカシン縫いでアッパーを縫い合わせていることから「Uチップ」と呼ばれていますが、見た目がVのような形をしているため「Vチップ」と呼ばれることもあります。

ダメージを受けやすいポイント

かかとの内側の「カウンターライニング」という革が破れやすいことが、Uチップ・Vチップの特徴です。
Uチップ・Vチップは、ストレートチップやプレーントゥに次いで出番が多く、中には靴ベラを使わないで履く方もいますが、これが原因で「カウンターライニング」が破れてしまうこともあります。
場合によっては、トップラインまで敗れてしまうケースもありますので、必ず靴ベラを使って履くようにしましょう。外出中に靴を脱ぐ機会が多い場合は、携帯用の小さな靴ベラを持ち歩くのがおすすめです。

>>「カウンターライニング」を確認する

モンクストラップ

紐靴よりもカジュアルな雰囲気を演出できるモンクストラップ。
バックル留めのストラップで甲を締めるのが大きな特徴です。
モンクストラップのモンクとは「修道僧」を意味します。
はるか昔、アルプスの修道僧(モンク)が履いていた靴をもとにデザインされたことから、このような名前が付けられました。

ダメージを受けやすいポイント

モンクストラップは、バックル留めのストラップでフィッティングを高めます。
そのため、バックルに付属しているゴムが伸びやすいです。
靴紐がなく、脱ぎ履きが非常に簡単なモンクストラップですが、ゴムが伸びるとフィッティングがゆるくなりますので、その場合は新しいゴムと交換しましょう。

>>「モンクストラップゴム交換」を確認する

ローファー

「なまけもの」という意味を持つローファー。
靴紐がなく、脱ぎ履きが楽であることからこのような名がつけられました。
U字のモカステッチが特徴的なスリッポンであり、「ペニー・ローファー」「ヴァンプ・ローファー」「タッセル・ローファー」など、様々なデザインがあります。

ダメージを受けやすいポイント

ソール全体が剥がれやすいのが、ローファーの特徴です。
というのも、ローファーは靴底とアッパーを接着剤で固定しているケースが多く、縫い合わせを行っていないものもあります。
そのため、どうしてもソール全体が剥がれやすくなるのです。
ソールが革でできているものについては、靴底とアッパーを接着した後、ミシンで縫い付けることで補強できます。
片足のソールが剥がれてきた場合、もう片方のソールも剥がれかけている可能性が高いため、両足同時に修理をするのがおすすめです。
ベストな修理方法がわからない場合は、修理店に相談してみましょう。

>>「接着」を確認する

ホールカット

装飾がなく、上品な雰囲気が特徴的なホールカット。
1枚の革で作られる靴であり、かかと以外に継ぎ目を作りません。
アッパーを包み込むように仕上げなければならず、作るのには非常に高い技術が必要です。

ダメージを受けやすいポイント

ホールカットは、キメが細かくしなやかな革が使われることが多いです。
このような上質な革は、定期的にメンテナンスをする必要があります。
1枚の革だけで作られるホールカットは、高級な靴でよく用いられるデザインですので、長持ちさせるためにも、月に1回のペースでアッパーにしみこんだ汚れを綺麗に落とし、新しいクリームで栄養を与えてあげましょう。
定期的にプレミアムクリーニングで靴の内側を綺麗にすることによって、雨ジミやニオイも解消できます。

>>「プレミアムクリーニング」を確認する

サイドエラスティック

サイドエラスティックは、スリッポンの一種であり、アッパーの横にエラスティック(ゴム)があしらわれています。
ゴムの部分を隠すように革帯を並べるのが一般的なデザインです。
いかにゴムを靴に溶けこませるかが、エレガントさを引き出すポイントとなります。

ダメージを受けやすいポイント

サイドエラスティックは、サイドについているゴムでフィッティングを調整するのですが、ゴムは消耗品ですので長く履いていると少しずつ伸びてきてしまいます。
フィッティングが緩い状態で履き続けると、不自然な歩き方になり、場合によっては身体に歪みが生じることもありますので、できるだけ早く新しいゴムに交換しましょう。

>>「サイドゴア交換」を確認する

デッキシューズ

デッキシューズは、ヨットやボートの甲板で滑らないようにするために作られた靴であり、靴底には切込みの入ったラバーソールが使われているケースが多いです。
ほとんどのデッキシューズには、耐水性のあるオイルレザーを使用した革製のモカシンが使われています。 また、靴には紐がついていることがほとんどです。

ダメージを受けやすいポイント

他の靴に比べて、歩行時に履き口に対して強いテンションがかかってしまいやすいのが、デッキシューズの難点です。
デッキシューズは、U字型の縫い方(モカステッチ)で作られていることが多く、履き口に強いテンションがかかると糸がほどけてしまうことがあります。
洋服などと同じで、一旦糸がほどけると、どんどんほつれが広がってしまいますので、できるだけ早く修理しましょう。

>>「モカ縫い」を確認する

内羽根式と外羽根式

革靴には、内羽根式と外羽根式の2種類があります。
内羽根式は、足の甲より前のアッパーに靴紐を通す穴が潜り込んでいる靴のことです。
外羽根式は靴紐を通す穴が外で開いている靴のことを指します。

代表的な修理メニュー

革靴の基本的な選び方

着用シーンで選ぶ

革靴には様々な種類がありますが、それぞれで適したシーンが異なります。
着用シーンに合わせて選ばないと、不自然な印象を与えてしまったり、相手を不快な気持ちにさせてしまったりしますので注意してください。
各シーンに合った革靴については後ほど詳しく解説しますが、フォーマルな場ではプレーントゥやモンクストラップ、ホールカットやサイドエラスティックがおすすめです。
カジュアルシーンで使う場合は、Uチップ・Vチップ、ウイングチップなどでも問題ありません。
お葬式やお通夜などの格式高い場には、ストレートチップが適しています。

履き心地で選ぶ

革靴は長時間履くことが多いため、履き心地を重視して選ばなければなりません。
履き心地が悪い靴や、自分の足にフィットしない靴を選ぶと、歩き方が不自然になったり、靴擦れを起こしたりする可能性が高くなりますので注意してください。

革靴には、
・グッドイヤーウェルト製法(パーツを中継して機械で縫い合わせる)
・マッケイ製法(中継なしで縫い合わせる)
・ハンドソーンウェルト製法(パーツを中継して手縫いする)
・セメント製法(接着剤でくっつけるだけ)
など、様々な製法があり、それぞれで履き心地が異なります。
快適に履き続けられる革靴を選ぶためにも、必ず試着をしてから購入するようにしましょう。

サイズで選ぶ

基本的なことではありますが、革靴を選ぶときはサイズに注目することが大切です。
革靴はスニーカーなどと特徴が異なり、つま先に空間(捨て寸)がありますので、サイズ選びで悩んでしまう方も多くいます。
あくまでも目安となりますが、革靴を選ぶときは、普段履いている靴より1~1.5cm小さいサイズを選ぶのがおすすめです。
また、足幅(ポールジョイント)も重要になってきますので、必ず確認しておきましょう。

シーン別の革靴の選び方

ビジネス

ホールカットやウイングチップ、モンクストラップなどもスーツスタイルによっては合わせられますし、マナー違反にはなりません。
ただ、場合によっては不自然な印象を与えてしまったり、ネガティブなイメージを持たれてしまったりすることもありますので、迷ったらストレートチップやプレーントゥを選びましょう。
色は、黒もしくは茶色を選べばまず間違いありません。
靴の色を変えて様々なスタイルを楽しむこともできますので、雰囲気が異なる革靴をいくつか持っておくのがおすすめです。
ただし、スウェード素材の靴やUチップの靴は、カジュアルな印象が強いため、ビジネスシーンには向いていません。

リクルート

就職活動や面接では、第一印象が物凄く重要です。 面接官や担当者からネガティブなイメージを持たれないためにも、内羽根式のストレートチップ(黒)を選びましょう。
また、装飾が一切施されていないプレーントゥも選択肢の1つとなります。
リクルートで革靴を使う場合、必ず「紐靴」を選ぶ必要がありますので、ぜひ覚えておいてください。
個性的なステッチが施されたウイングチップや、カジュアルな印象を与えるブラウンカラーの靴を履いていくと、ネガティブなイメージを持たれてしまう可能性が高くなりますので注意が必要です。
就活中は、説明会や面接などで何度も革靴を履くと思いますので、シューケア用品を使ってこまめにお手入れをしましょう。
「メンテナンスが追いつかない」といったトラブルを避けたい場合は、2足以上持っておくのがおすすめです。

結婚式

結婚式にお呼ばれしたときは、紐付きのストレートチップを選んでおけばまず間違いありません。
プレーントゥでも良いのですが、つま先に穴の開いているデザインは結婚式にふさわしくありませんので避けてください。

色については、茶色でもマナー違反ではありませんが、基本的には黒を選ぶのがおすすめです。
特にスピーチを頼まれている場合や、親族の結婚式では黒い革靴を選ぶようにしましょう。
ただし、結婚式の二次会は挙式や披露宴に比べてカジュアルな雰囲気となりますので、茶色の革靴を選んでも問題ありません。

結婚式で絶対に避けていただきたいのが「クロコダイル柄」です。
靴に限らず、結婚式は動物の皮や毛を連想させるアイテムがマナー違反とされています。
その理由は「殺生」を連想させるからです。
また、ブーツタイプの靴も結婚式にふさわしくありませんので避けてください。

お通夜・お葬式・法事法要

お通夜やお葬式、法事法要の際は、内羽根式のストレートチップ(黒)、もしくはプレーントゥを選びましょう。
結婚式とは違って、おめでたい行事ではありませんので、金属の装飾が施されたモンクストラップや光沢のある靴は避けましょう。
また、アニマル柄の靴も結婚式同様「殺生」を連想させるため、絶対NGです。
その他、ショートブーツやスニーカー、カジュアルな靴もふさわしくありませんので、TPOに合わせた靴を選びましょう。

パーティ

パーティは、その他のシーンに比べて制限が少なく、基本的にはどのような靴を選んでも問題ありません。
ストレートチップやプレーントゥであれば、フォーマルなホテルやレストランなどのドレスコードもパスできます。
カジュアルなパーティであれば、ローファーやウイングチップなどを選んでも問題ないでしょう。

スーツ×革靴、ベルト×革靴コーディネートのコツ

スーツ×革靴のコーディネート

黒やチャコールなどのスーツには、無難に黒の靴を合わせるのがおすすめです。
茶色の靴を合わせたい場合は、ネイビー・ブルー・ライトグレーなど、比較的明るい色のスーツを選んでみると良いでしょう。

スーツのトーンが暗めであるにもかかわらず、明るめの靴を選ぶと不自然な印象を与えてしまいますので注意が必要です。
革靴とスーツのトーンをできるだけ寄せることによって、まとまりのある自然な雰囲気を演出できるようになります。

ベルト×革靴のコーディネート

ベルトと革靴は、同じ色のものを選ぶのがおすすめです。
黒のベルトを使う場合、黒い靴を選べばいいだけですのでそこまで難しくはありません。
ただ、茶色のベルトを使う場合、トーンがものによって異なるため、靴と完全に色を合わせるのが難しくなるでしょう。
そのような場合は、できる限り色を近づけることが大切です。
茶色のベルトに黒の靴は、不自然な印象を与えかねないため、茶色のベルトを多く持っている場合は、茶系の靴を1足持っておくと便利かもしれません。

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