梅雨に実践したい
革製品のメンテナンス方法How to care for leather products in the rainy season

高温多湿の梅雨は革製品の大敵!
有効な対処法とは?

雨が多く、湿度が高まる梅雨。夏に差し掛かり、気温が上昇する季節でもあります。
この時期には、ブーツやバッグなど革製品の状態に注意しましょう。
高温多湿の環境は革製品の大敵です。菌が繁殖しやすいため、ニオイの原因になりますし、ひどい場合にはカビが生えてしまうことも……。
しかし、どのような対策を行うべきかわからない方も多いのではないでしょうか?
ここでは、正しい革製品のメンテナンス方法をご紹介します。

  1. 1.梅雨に革製品がさらされる危険とは
  2. 2.梅雨にカビが発生しやすくなる原因とは
  1. 3.梅雨に行うべき革製品のメンテナンス
  2. 4.カビが生えてしまったら

梅雨に革製品がさらされる危険とは

梅雨には革製品の多くが危険にさらされます。普段から使っているものだけでなく、保管しているものが傷んでしまうこともしばしば。
それらの危険を、シチュエーション別にまとめました。

外出時、雨で濡れる

梅雨の時期には、雨によって身に着けている革製品が濡れてしまうことがあります。気を付けていても、突然の夕立や横殴りの雨に対処することは難しいでしょう。
きちんと拭かずに濡れたまま放置すると、革に雨染みができてしまうかもしれません。雨染みは、一日放置しただけでくっきりと残ってしまう可能性もあります。また、濡れたところから菌が繁殖するため、ニオイやカビの原因となってしまいます。

保管時、湿気と高温にさらされる

梅雨の間は、革製品を家の中に保管しているからといって安心はできません。梅雨は、大気全体が高温多湿になります。しまい込んである革製品の周りの空気も、対策を施さなければジメジメしたものに。
革製品には、たんぱく質やタンニン、油脂などカビの栄養となるものが多く含まれています。
そのため、高温多湿の環境に放置すると、簡単にカビが繁殖してしまいます。梅雨明けに取り出したときには、ブーツやバッグ全体がカビだらけになってしまっているかもしれません。

梅雨にカビが発生しやすくなる原因とは

梅雨になぜカビが発生してしまうのか、その原因についてまとめました。カビ対策を施す前に、知っておくべき基礎知識としてご利用下さい。

気温と湿度が高い

梅雨は湿気が多い上、気温も高くなる時期です。カビにはいろいろな種類がありますが、その多くが、高温多湿の環境で発生しやすくなります。
気象庁の統計によると、6月の東京における平均湿度は75%で、平均気温は21.4度(1981年~2010年の平均)。これは、カビが繁殖するのに十分な気温と湿度の高さです。

カビに気づきにくい

発生したカビが成長するためには時間が必要です。普段から使っていれば、カビが生えはじめた時点で取り除くなどの対応が可能です。しかし、梅雨の時期の革製品はシューズボックスやクローゼットの奥にしまい込まれている場合も多いため、なかなか気づくことができず、カビがどんどん繁殖してしまいます。
また、通気性の悪い場所にしまい込まれていることで空気が入れ替わりにくいのも、カビが繁殖しやすい環境を作る一因となります。

梅雨に行うべき革製品のメンテナンス

梅雨に行うべき革製品のメンテナンスをご紹介します。
「常用している革製品が濡れてしまった場合」と「保管している革製品を手入れする場合」の2パターンがありますので、それぞれの場合に合わせてご活用ください。

濡れた革製品のメンテナンス方法

準備するもの

シューケア用品販売ページへ
  • ・柔らかい布(いらないTシャツでも可)
  • ・新聞紙
  • ・保革専用クリーム(デリケートクリーム)

手順1:乾いた布で拭く

まずは、乾いた布で全体の水分を拭き取ります。衣類の染み抜きをイメージして、柔らかい布をポンポンと軽く押し当てましょう。固い布でゴシゴシとこすると、革が変形してしまう可能性があるので注意してください。
また、必ずきれいな布を使いましょう。汚れが革に付着すると、カビの原因となってしまいます。

手順2:中に詰め物をする

新聞紙を丸めたものをタオルなどの柔らかい布でくるみ、まんべんなく収まるよう革製品の中に詰めましょう。これにより、内側から水分を取り除ける上に、革製品の型崩れを防げます。新聞紙をそのまま詰め込んでは、インクが溶け出し製品の内側が汚れてしまう可能性があるため、必ずタオルなどで包みましょう。

手順3:風通しの良い日陰で干す

風通しの良い日陰に革製品をおいて自然乾燥させてください。「直接日光に当てる」「ドライヤーやストーブの温風に当てる」といった行為は厳禁です。濡れた革は熱に弱いため、縮んでゴワゴワになったり、油分が抜けて固くなったりしてしまいます。
一度収縮した革は元には戻せません。早く乾燥させたい気持ちを抑えて、内部の布や金属パーツなどの細部までしっかりと乾くのを待ちましょう。

手順4:保革専用クリームで栄養を与える

一度濡れてしまった革からは、油分や水分が失われています。そのまま放置すると乾燥が進んで、シワやひび割れの原因になってしまうため、保革専用クリームをなじませて栄養を与えましょう。柔らかい布に適量を取って、革製品全体の表面を磨いてください。

保管している革製品のメンテナンス方法

準備するもの

シューケア用品販売ページへ
  • ・柔らかい布(いらないTシャツでも可)
  • ・保革専用クリーム(デリケートクリーム)
  • ・通気性の良い布(不織布など)
  • ・除湿剤・乾燥材
  • ・炭・アロマサシェ

手順1:風通しの良い日陰で干す

しまい込んでいた革製品から湿気を抜くため、風通しの良い場所で陰干ししましょう。「濡れた革製品のメンテナンス方法」にもある通り、直射日光に当てたり、温風に当てたりするのはNGです。

手順2:状態を確かめて保革専用クリームでケアする

まずは革の状態を確かめてください。カビが生えていたら、取り除きましょう。その方法は、後述している「カビが生えてしまったら」で詳しく解説します。カビなどの問題がなければ、保革専用クリームで適度に栄養を与えてください。

手順3:通気性の良い袋に入れる

不織布などの通気性の良い袋に革製品をしまいましょう。革製品を梅雨の湿気から守るためには、風通しを良くすることが不可欠です。
そのため、ビニールカバーやネル生地など厚みのある袋にくるむのはおすすめできません。かといって、袋にしまわなければホコリが溜まり、汚れやカビの原因になってしまいます。

手順4:除湿剤や乾燥材を同封する

革製品をしまう袋には除湿剤や乾燥材を一緒に入れましょう。ニオイが気になる場合は、炭やアロマサシェ(乾燥させたハーブや香料を入れた香袋)も同封すると効果が期待できます。
ただし、それらが直接革に触れると変色する恐れもあるため、触れないよう間隔を空けて保管してください。

手順5:風通しの良い場所にしまう

革製品を入れた袋を風通しの良い場所にしまいましょう。クローゼットなどであれば、なるべく上段がおすすめです。バッグであれば立てるなどして、ほかの収納物と適度な間隔を空けるよう気を付けてください。

カビが生えてしまったら

専門業者にクリーニングしてもらうのがベスト

一目でわかるほどカビが生えてしまっている場合、見えない革の内部にまでカビが入り込んでしまっている場合がほとんど。その場合、個人では対処することは難しいです。自己流でクリーニングを試みると、革をかえって痛めてしまうかもしれません。早急に靴修理店などの専門業者に持っていくのが最も確実な対処法でしょう。

初期のカビに効く応急処置

カビを発見しても、すぐにクリーニング業者に持っていけない場合もあります。そんなときに取るべきメンテナンス方法をご紹介します。
初期のカビならば、これらの方法で取り除ける可能性もあります。

濡れタオルで拭く

固く絞った濡れタオルでカビを拭き取ってください。革を傷めないよう、ゴシゴシとこすらず、たたくようにして拭きましょう。また、カビの胞子をばらまかないように必ず作業は屋外で行ってください。濡れタオルは、使い古しのTシャツなどの柔らかい布でも代用可能です。

天日干しをする

日光に当てて天日干しをしてください。紫外線によりカビを殺菌する作用があります。ただし、水滴がついた状態で日光の下にさらしたり、長時間高温な場所に放置したりしてはなりません。革の収縮や痛みの原因となります。カビが生えた場合の特別な方法と考えてください。
小まめに状態をチェックして、乾いたらすぐに保革専用クリームで栄養を与えましょう。

まとめ

梅雨に実践したい革製品のメンテナンス方法をご説明しました。紹介した道具やコツを使って、大切な革製品を良い状態に保ってあげてください。
ただし、革製品はデリケートなため、扱いには注意が必要です。取り扱いに自信が持てない場合は、修理専門店に相談してみても良いでしょう。

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